日本の店名全般 3
人関係、職業名
・改定2023年04月22日
人・ヒトを表す言葉 追加2023.4.22
王様やお姫様や貴族ほか偉いひとははバックに住んでいる場所のイメージあるので、場所の変型タイプの名づけですが、場所よりも安定性に欠ける点があります。浮き沈みの激しい分野です。
その時代にはもてはやされても、今は別の意味になったり差別的な意味合いが含まれたりすることがわかったり。それゆえ敢えてインパクトを加えるため使われていることもあります。
業種により大きく違いました。洋系の初期の店名は仏語の一般名詞の人関係、後半はイタリアンの大増加でマイナス面を持つ言葉でも付いています。和食関係は少ない傾向でしたが、ラーメン店が多くの人に関係する店名があふれています。写真は人が三人並ぶビジネス系中華「人人人(レンレンレン)」
◇ 人・ヒトの成長
人が生まれ、大きくなって年を重ねていく成長過程の言葉は最初は長寿への願いから付いていきます。「翁そば 1790年」(『賀字系』掲載)が江戸時代から。
ただ高齢者が増えた現在は健康を願う言葉はありますが、若いイメージの方が好まれる傾向。江戸時代の若者は「奴」、若い女性の「乙女寿し」、鮨屋(『歌舞伎からの家紋名系』)に付いていました。
最近見かけるのは生まれたての人間、赤ちゃんの意味「BISTRO BeBe(ベベ) 牛込神楽坂 2021年」「あかんぼ三軒酒屋 三軒茶屋 2018年(『初め』掲載)」。赤ん坊のオモチャのおしゃぶりの仏語「la Sucette(ラ・シュセット) 小伝馬町 2018年」も関連語、由来はおなじ0からのスタートの意気込みを表すそう。
英語のベビーは成長していく店の意味でが多くパフォーマンスを売りにしているビジネス系「鉄板ベイビー 新宿 2015年2号店」自分たちがまだまたベビー、御客と共に成長しようと謳っていますね。
多くはないけど子供のチャイルド、チルドレン、キッズ、ボーイは『カウボーイ』のイメージでアメリカンな店名。「トムボーイカフェ 十条 1975年1号店」アメリカから進出ステーキ店(1936年創業)「Big Boy (この店の常連の少年の愛称から) 代々木 1980年、1号店大阪1978年」。
「L'enfant coeur et coeur(ランファン クーエクー) 銀座 2013年(再掲)」は長いのですが、シェフにとって愛情を子供(ランファン)のように注ぐ食材と料理、マダムが心(クー)を尽くしてシェフ(クー)と人々、お客(クー)を繋ぎサービスする。
同じく男の子の仏語、英語ではウェイターの意味もあるギャルソンから「ル・ギャルソン 南麻布 1986年」「LE garcon de la vigne(ル・ギャルソン・ドゥ・-ヴィーニューワイン畑の男の子) 広尾 2006年」。両店とも閉店していますが、食べログにはイタリアンもあります。
流行語で10代の女のコの"ギャル"は英語のガールの俗語とか、こちらは希少。
小僧、年少の僧や商店の若い店員の呼び名はチェーンのテイクアウト鮨店「小僧寿司 大阪市前身1964年」、志賀直哉の小説『小僧の神様』から。
また以前(『昭和と平成のスパゲティ店』)上げた「いたりあん小僧」。少年は1店、食べ物系の少年の頃の夢、肉を腹いっぱい食べたいの夢から「ひき肉少年 白金高輪 2013-2021年、現在は改名」 「メッチェン(ドイツ語少女、娘) 神保町 『大東京うまいもの食べある記1935』掲載」腕白小僧の仏語「Galopin(ガロパン) 吉祥寺 2004-2021年」は
以前アップ(洋食『イメージ系』『童話の世界の住人達』)に載せたイタリア語のバンビーノ(女性は~ナ)。
それらの追加で「I'Bambino(イバンビーノ) 原宿 2000年」新店「世田谷食堂Bambini(バンビーニー子供たちの意味) 世田谷区若林 2021年」
イタリアン、皆に可愛がられる秘蔵子の伊語「COCCHINA(コッキーナ) 目黒 2010年」
少し若すぎるイメージでフレンチ「Blanc Bec(ブランベックー仏語若造) 広尾 開店年不明」和食当て字の「青二彩 南青山 『ちびHanako GOLD10 1997 』掲載」居酒屋「青二才 阿佐ヶ谷 2007年」。大人は頭に付く「大人の○○」が多いです。アダルトは風俗系になるのでありません。
● 人の身体
老舗の天丼屋「八ッ手屋(店を営む祖父母、父母の合わせて8つの手) 淡路町 1914年」、ラーメン「麺昇神の手(苗字のゴトーのもじりゴットの手から) 杉並区梅里 2017年」。
洋系は人の体関係は最近のものです。ハンズ、腕の意味アーム、指のフィンガーも少ないですがあります(「fingers crossed(フィンガーズクロス)」)。アメリカンハンバーガーの世界で活躍『ハンバーガー来た!』。加えて指の「TEN FINGERS BURGER(テンフィンガーー10本の指) 三軒茶屋 2018年」、一番大きいハンバーガーが指10本を使わなければ持てないので、他のサイズも8本・6本サイズ。
技術・技巧・手工芸品の意味のクラフトも手作りの意味でビアバルに多くあります「CRAFT HANDS(クラフトハンズ) 麻布十番 2012年」「クラフトマン 五反田 2013年」。他にショコラトリー「CRAFT CHOCOLATE WORKS(クラフト チョコレート ワークス) 池尻 2015年」やハンバーガー「THE BURGER CRAFT(ザ バーガー クラフト 浅草 2017年」。
食べる入口の口はイタリアンの功績が大きいですね。1989年にオープン、現地そのままを売りにして、イタリア人らしく皆で会話して、楽しく美味しく料理をたくさん大口開けてで、
以後「ブォーナボッカ(たんさん食べる) 虎ノ門 1999年」「ボッカ 西新宿 2005年」最近のオープン「タンタ・ボッカ 千駄ヶ谷 2008年」と同じ系列「グランボッカ 飯田橋 2014年」、イタリア料理の大食のイメージからでしょう。
イタリアのソーセージの煮込み料理「SALTIMBOCCA(サルティンボッカ) 練馬区早宮 1991年」も。ビジネス系ファミレスは北海道からの「Mia Bocca(ミアボッカー私の口) 武蔵野市 2008年1号店」。
同じくイメージ、「ラ・ゴーラ(のど、キリスト教の大罪暴飲飲食) 六本木 1993年」スペインバル「ラス・ボガス 渋谷 2010年」
英語マウスや仏語ブーシュは少なく、フランス料理の一口前菜にこの言葉が使われています。
少し口関係に関連する言葉を挙げてみました。仏料理の「ロアラブッシュ 青山 1981年開店」は最初の頃でこの頃では珍しい店名、口の中の水、よだれのことです。これはさすがにすくなくアイスクリーム屋「GELATERIA ACQUOLINA(アクオリーナ) 目黒区五本木 2012年」位。
1970年の時代ではぶっ飛んでる店名お好み焼き「舌と2/5 下北沢 1977年」は味覚と嗅覚、人間の五感のうち食の必要な二感の意味。
ビジネス系では「舌呑(ゼットンー舌で味わいのどで呑むから) 名古屋市 1995年、恵比寿店2001年」。現在は閉店し会社名になってますが、名古屋飯ダイニングでした。他の口関連はイタリアンで「オステリアラッブラ(伊語の唇) 白金 2007年」は唇が食べる・語る・愛し合うのキーワードというイタリアンらしい。
ほか口からでる「AKUBI(アクビ) 代官山 2021年」は台湾料理。『一人ががアクビをする、と連鎖反応で周りもどんどんうつっていく現象から同様に幸せの連鎖反応を起こしたい(フードスタジアムHPより)』との由来。
内臓の店名は「フェーガト・フォルテ」「umbilical(アンビリカル)」「胃袋にズキュン 下北沢 2018年(『擬態語は美味しい!』掲載)」。フレンチ「愛と胃袋 三軒茶屋 2011-2015年、2017年山梨県で再開」、「Terroir愛と胃袋」となり今は八ヶ岳の「問屋場」といわれる大きな古民家のオーベルジュに替わっています。想いの『愛は胃袋をとおってやってくる』は変わりがないようです
口の上の髭は多分ニックネーム。髭の天平とか、ムスタッシュ(自分の名前の『バリエーション』参照)、プラス「Trattoria Baffo(バッフォー伊語口ひげ) 東銀座 2003年」。ドイツ語「Cafe SchnurrWarz(カフェシュヌルバルツー黒ひげ) 三鷹 2015年」
多いのは以前の坊主頭からの名付け。解りやすくつけやすいのか、食べログには食材系「すし坊主」「たこ坊主」「酒ぼうず」も多く載っていますね。
当然境内にある寺カフェも「ぼうず'n coffee 池袋(祥雲寺内) 2017年」名前の項目『バリエーション』に掲載。
それ以外には「Bistro GRASSO(ビストログラッソー太った) 湯島 2005年」「cicci(チッチー愛称オデブチャン) 恵比寿 2020年」「OSTERIA Il Ciccione(オステリア イル チッチョーネ)大山町 2008年」「IL Ciccione(イルチッチォーネ-修行先の店名でもある) 神泉 2012年、八王子移転2023年閉店」ビジネス系「Ciccio tamaya(チッチョタマヤ) 浅草 2018年」ほかにカフェから丸ぽちゃのぽっちゃりの英語「CHUBBY(チャビィ) 代田 2005年」。
少し視点が違う再掲カフェ「コーヒーロースターズ二足歩行」。これは地名のエチオピアの場所から、珈琲豆の産地で二足歩行の人類の発祥の地でもあること。
英語のステップも少しだけ「steps(ステップス) 三軒茶屋 2012年」イタリアン「Primo Passo(プリモ パッソー最初の一歩) 牛込神楽坂 2016年」
京都からやってきた餃子専門店「歩兵 銀座 2018年(再掲)」と同じく皆一歩づつ歩んでいく上を目指す思いが詰まっています。 ★TOP頁へ★(人関係、職業名TOP頁へ) ☆ 料理関係TOP頁へ ☆芸術・文芸関係TOP頁へ
人・ヒトの内・性格から 追加2023.4.22
心臓は少し生々しい感じを与えますね。(『心を込めて』参照)、写真は「キッチンKokoro 両国 2005年」。
心・こころは意外に昭和初期からありガイドにおでん屋「こころ 銀座 『大東京うまいもの食べある記1935』」「酔心 新橋 1965年(『こころのバリエイション』掲載)」。
三文字・カタカナ・平仮名こころの店名が多いですが、多さゆえにローマ字「kokoro」「cocolo」の表記変更も。漢字はほとんど心、少ないけど志もココロと読ませる例も。
ハートは形としてのハート型のほうが認知度が高く、キューピッドと関連づけて、男女の愛を象徴しいてます。病院とか介護関係が現在は多くなっています
下記の追加項目『こころのバリエイション』『プラス心(シン、ココロ)』掲載
精神力からの人活力・生命力、の性格付けについては『健康のために』も多くつけています。
店名からは解りにくいダイニングバー「H(エイチー) 大井町 2007年」『三つの熱い頭文字、熱い思いHot心、のこもった料理サービスHeat、思いやりHospitality』。
☆ 人の性格様々
頑固な人は『個性的な人の性格・形容詞』『危ない職業とその道具もろもろ』に上げていますが、それ以外を少し。
ラーメン屋は頑固のような強いものが多くなったのは地方名から変わって『ご当人ラーメン時代(ラーメン博物館HPより)』で2000年前後から。人の個性を表現する言葉が多くなりました。「豪快 笹塚 1985年」「がんこ一徹 新井 1997年」「ばんから 池袋 1998年」「一本気 小岩 2009年」「風雲児 新宿 2007年」「無鉄砲 江古田 2010年」「我武者羅 幡ヶ谷 2016年」「無頼庵 経堂 2013年」
昭和の言葉で唐変木を発見!物事の道理がわからない人のこと。居酒屋に多く「唐変木 高円寺 1974年」「唐変木 外苑前 1996年」。居酒屋チェーン「和民」業態変更1号店はお好み焼きハウス「唐変木」。
もっとやわらかいのはおとぼけ、知っていても知らんぷりする人、「キッチンオトボケ 早稲田 1973年」。早稲田大学生の御用達食堂でブログではご主人の学生時代のあだ名だそうです。居酒屋「安本丹(アンポンタンー間が抜けて愚かな人) 銀座 『東京たべあるき地図1975』掲載」食べログにも同じく居酒屋「あんぽんたん 高円寺 2019年」もあり。
引き続きのラーメン店「馬鹿珍 葛飾区宝町 2009年」「麺バカ息子 蒲田 2011ー2016年、移転2017-2020年、最初横浜市鶴見2007年」「嫌な隣人 人形町 2021年」和食「田舎っぺ 阿佐ヶ谷 1974年」同く田舎・田舎者のハワイ語のビジネス系ハンバーガー本店ハワイオアフ島から「クアアイナ 青山 1997年(再掲)」少し卑下した店名。
イタリアンがもっとも多い愛称のような日本語ではちょっと躊躇する言葉。 今はビジネス系の気まぐれな性格の「カプリチョーザ(再掲)」から「デュード カラビニエリ(伊語の不良中年) 三田 1992年」「モスカルディーニ(めかした男) 銀座 1992年」「ドルチェ・パッツォ(お菓子狂い) 千歳烏山 1997年」「I'Bischero(イ・ビスケロー馬鹿者) 木場 1998年(再掲)」「Rusticanella(ルスティカネラー伊語田舎者) 赤坂 2003年」「SCUGNIZZO!(スクニッツオ) 飯田橋 2003年(再掲)」「イルポルトローネ(なまけもの) 千住 2011年」
イタリアン以外は新しめ、お客がわがまま言って好きな淹れ方のコーヒーを飲める店「Whim Coffee stand(ウィムーわがまま) 高円寺 2021ー2022年」、ハンバーガー「Whims Coffee and bar(ウィムスー気まぐれ・酔狂な) 池尻 2017年」
フレンチ「AU GAMIN DE TOKIO(オーギャマンドトキオー東京のいたずら小僧) 恵比寿 2008年」、「L'orgueil(オルグイユー仏語の傲慢) 南青山 2016年」は今までの経験とインスピレーションを元に傲慢の中にある誇りを表現するとのこと。
ビストロ「keke(ケケー仏語スラングの見栄っ張り、目立ちたがり) 神楽坂 2019年」ではネガティブな意味でもシャレの意味で人間っぽさを込めて。
関西の金持ちの息子の呼称から洋食「ウィーンボンボン 原宿 1967年頃」、既に閉店していてネットに個性的な料理の思い出記事が多いです。オーストリア大使館で働いていた世間知らずのぼんぼんだけど自分の世界を大切にしたいと。ドラ息子と使われるように「DORA(ドラ) 駒場 1981年」も。
全国では多いぼんくら、はっきりしないぼんやりした人のこと。東京では減っていくような印象。言葉としては避けられていく風潮なのでしょう。
🔲 感じる世界
新しいのは"感"と洋系群。ビジネス系でいろいろなタイプを展開の文字通りの 視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚の5つの感覚“五感”からのイタリアン「五感 池袋 2010年、6店舗展開」
ラーメン店「六感堂 池袋 2014年」割烹「感情 六本木 2021年」カレー店「一体感 築地 2020年」
バリエーションで大阪からやってきた串揚げ「六覺燈 銀座 2004年、大阪市1980年」親方に言われた上の五感に足して料理人の料理するセンスの六感と初心をわすれないこと。
フレンチ「SIZZLE(シズルー五感で感じる瑞々しさやいきいきとした実感) 三鷹 2015年」「しみいる(本能で感じるフレンチ&奥深き自然派ワインが心にしみいる理想の感覚) 浅草 2020年」
中華「広東料理SENSE(センスー英語感覚) 日本橋 2005年(再掲)」は五感で感じる料理の心がけ、フレンチの第六感の「ル・シズィエム・サンス 銀座 2003年」は五感を超えた料理を楽しむ願い。
イタリアン「SESTOSENCO[H](セストセンスアッカー伊語の第六感とシェフのイニシアル) 渋谷 2012年」「リストランテセンソ(伊語の感覚) 白金台 2016年」予約制のカフェとかで「sentiment(センチメントー?感情) 新小岩 2020年」。 ★TOP頁へ★(人関係、職業名TOP頁へ) ☆ 料理関係TOP頁へ ☆芸術・文芸関係TOP頁へ
人の外からー見た目と職業 追加2023.4.22
★ えらい人・憧れの人
ロイヤルまたはローヤルは王の・王室の人、こちらもトップをきるのはカフェ、喫茶店です。イギリスのパブのように王様、女王様は少なく、その周辺が多いです。
プリンス、貴族、男爵、バロンほかに王室のロイヤル、ローヤルも出てきます。仏語のロワイヤルはとても少ない傾向。多くの店名は『ロイヤルなベタな店名』にアップ。ビジネス系(ファミレス『ロイヤルホスト
』があるのも影響)「鳥貴族(『お寛ぎを』掲載)」ついでに洋食「シャトレーヌ(貴婦人) 高田馬場 『東京たべあるき地図1975』掲載」
キングは煙草やソースの銘柄名として明治末ころから(『たのしいネーミング百科』より)。昭和初期のガイドから洋食「キングランチ 銀座 『大東京うまいもの食べある記1935』掲載」カレー屋「キングスター 新橋 『大東京うまいもの食べある記1935』掲載」。
東洋的なミカド(「ミカド珈琲」)、皇帝、エンペラーは多少はありますが、こちらも個人名同様具体的な人物を指してしまうので、避けられるようです。偉そうだけど遠くにあるほうが良いようです。洋食「みかど食堂 本所 1924年」喫茶店「ミカド 四ツ谷区 『東京市商工名鑑1933』掲載」など大正末・昭和初期からあったミカドが少し2000年代から増えてました。
ベタなロイヤル名は付けなくなりましたが、食べ物の名プラスのビジネ系が出現、アメリカ製「バーガーキング 1993年1号店」ようなタイプ。1954年マイアミ創業のハンバーガー店は提携先をいろいろ変えながら2010年代から店数増加中。
個々にはあまり付けない雰囲気ですが、やはり魅力ある分野なのでわかりにくいタイプも。イタリアン「ノビルデューカ(高貴なる公爵) 広尾 2006年」「MERI Principessa(メリプリンチペッサー?メリ皇女) 渋谷 2010年」ワインバー「dal Barone(バローネー男爵) 奥沢 2019年」
「ステーキのどん 前橋 1976年1号店」も最初の候補は「ドン・キホーテ」でしたが、子供にも覚えられてより多くの人に愛されることを願い「どん」になりました(会社のHP)。
イタリアン「Don Bravo(ドンブラボー) 調布市 2012年」アルゼンチン流のワイルドなBBQアサード料理「Don Gaucho(ドンガウチョ) 九段下 2016年」ガウチョ(牧童)が牛を調理して野外で焼いて食らうイメージ。
女性形はdonna「レストランドンナ 練馬区石神井 1993年」「pizzeria&bar La Don Na(ラドンナ) 丸の内 2019年」。
ドン・・・はビジネス系のチェーン店が多いです。「Donna D'oro(ドンナドーロー?黄金の貴婦人) 西新宿 2000年」「DON CONA CONERY(ドンコナコネリー) 五反田 2008年1号店」
将軍、太閤、大臣、庄屋は町長、村長でしょうか。日本の殿様、家老、代官は少ないです。「庄や 千代田区 1973年」はチェーン店の居酒屋あり、ひとり頑張っています。
アメリカ的偉い人、プレジデント、大統領も少なく、多いのは庶民的には各々のスポーツ・芸能界のスター達。彼らをセレブやVIP(ヴィップ)と呼ぶこともありますがこちらもとても少ないです。
チャンピオンの洋食「チャンピオン 阿佐ヶ谷 1963年」伊語「カンピオーネ 高田馬場 『東京たべあるき地図1975』掲載」、「キャプテン 新宿 1977年」。ビジネス系焼肉店「チャンピオン」は『アジア系肉料理ー焼肉 』掲載
サッカーの時代到来でトラットリア「Trattoria Giocatore(ジョカトーレー選手の伊語) 自由が丘 2011年」、観客を魅了するプレイをする選手の呼び名「PIZZERIA BAR FANTASISTA(ファンタジスタ) 湯島 2012年」「イル・バロンドーロ(サッカーの最優秀選手賞) 恵比寿 2018年」。
両言葉共に芸能界で消耗され過ぎの言葉で店名としては魅力が薄れた言葉になってしまったようです。
英雄の意味で喫茶店「レイロ 神楽坂 『大東京うまいもの食べある記1935』掲載」イタリアン「レロエ 下北沢 2002年」「レロイーナ 広尾 2003年」
アイドルといえば、昔風だと小町。美人の代名詞、ぎんざ小町、えびす小町、島小町、日比谷小町、小町寿し等の店名があります。〇〇姫も同じような付け方であります。
江戸っ子の形容詞で『粋で(イキー垢抜けしていて色気のある)いなせな(男気のある)・・・』、粋の言葉は多くの店名に付けています。由来までは多くは不明です。1店カフェ「iki ESPRESSO(イキエスプレッソ) 清澄白河 2016年」は粋にプラスの生きるとニュージーランドの移民の同音言葉のリーダーの意味を持つそう。
◆ 〇〇職業のひと
ジビエが流行して猟師の「La Chasse(ラシャッスー狩猟) 六本木 2005年」料理名と兼ねている「CACCIATORE(カチャトーレ) 板橋区ときわ台 1967年」「Osteria Matagi(オステリアマタギ) 中目黒 2011年、最初は長い!「マタギが街へ降りてきた」」
武士・侍を職業とするのは抵抗がある方もいるでしょうが、昔の公務員に当たります。
大正期の丸の内ホテル内のレストラン「さむらい 丸の内 1924年」、喫茶店「珈琲道場侍 亀戸 1976年」は元合気道家で武道で学んだ心得をコーヒーに生かしたい店名。
居酒屋「野武士 東高円寺 1979-2016年、中野店は営業中」雑炊専門店「野武士(『お茶漬け・粥』掲載)」、自然食「古武士 新宿 2001年」「泥武士 銀座 2003-2018年」
ラーメン店は多い「ラーメン古武士 高田馬場 2003年」「用心棒 神保町 2009年」「もののふ 駒沢 2013年」
忍者はエンタテーメント系が中心。アレンジがあるのは武者。「若武者」「影武者」。
牛を追う仕事の牧童、ステーキ店「COWBOY(カウボーイ) 新中野 1987年」ビジネス系「カウボーイ家族 石神井 2011ー2022年1号店」トスカーナのカウボーイの意味のイタリアン「IL BUTTERO(イル・ブッテロ) 西麻布 1994-2021年」アルゼンチン料理「ガウチョ 四番町 『厳選日本の味東京食べ歩き1982』掲載」
再掲のスパゲッティの「アグリパッチョ(伊語のピエロ) 中野 1970年代」喫茶店「アルルカン 下北沢 1980年」、「PIERROT(ピエロ) 桜上水 1984年」、「ピエロ 荻窪 1985年」フレンチ「ブラッセリーピエロ 五反田 1992年」「トロワピエロ(食で喜びを与えたい願い) 中目黒 2004-2010年」。
イタリアン「パリアッチョ(伊語) 中目黒 2004-2010年」「ARLECCHINO(アルレッキーノー伊語道化師) 代官山 2010年」。写真はビジネス系「PAGLIACCIO(パリアッチョー道化師) 丸の内 2008年」は道化師のように長く愛される店に。
ただ、英語のクラウンは王冠のクラウンもあってカタカナではどちらか、判断できません。トランプのジョーカーは道化師の絵が描かれていて同一視され、切り札の意味も持つ呼名。
芸能系「アクトレス(女優) 有楽町 『東京いい店うまい店1967』掲載」イタリアン「アトーレ(伊語俳優) 銀座 1987年」、両店とも劇場内にありました。
アーティスト、芸術家のArtistiアルティスティ「Bruschetteria Degli Artisti(アルティスティ) 秋葉原 2009年」一般的な職人の伊語「Artigiano(アルティジャーノ) 神楽坂 2014年」
思いっきり現代的なのはアニメの錬金術師の「アルシミスト 白金台 2011年」。有名な小説にもパウロ・コエーリョ『アルケミスト』がありました。中世西洋で活躍した科学者兼魔術師扱いの職業。
童謡・童話の世界のイメージと思うのは「きこり」、森で木を切る仕事をする人。全国にも多く平仮名で「きこり」ローマ字で「Kicori」替え字も「木古里」「樹古里」「木香里」と多いので意外に人気がある様子。定食屋から蕎麦屋、お好み焼き、洋食、ビストロと広い業種に付けています。写真開店不明、既に閉店定食屋「きこり食堂 祐天寺」
● 衣服
衣食住で一番遠い衣服の世界、事実数も少ないです。
布の絹=シルク、更紗、木綿。シルクは高級感、実際は歴史用語のシルクロードの店名の方が多いです。更紗はエキゾチックなイメージ、インドから日本に渡ってきた諸説の一つでは美しい織物の意味とか。
絹はカフェバー「MADAMU SILK 池袋 1969年」タイ料理「MAI-THAI(マイ-タイータイ製シルク) 恵比寿 1992年」。イタリアン、絹のような上質な空間を演出している「Seta.akasaka(セータ.アカサカー伊語のシルク) 赤坂 2020年」
逆のカジュアル系「トワルドリベルテ(荒い未晒し生地 帆布) 目黒区中町 2013年」「Lino(リーノ伊語の麻) 六本木 2011年」
着物の模様からの和洋料理「えどこもん(江戸小紋) 銀座 1987年」 伝説の天女の天の羽衣は空を舞うことができる衣装。江戸末期の案内に鮨屋「羽衣寿し 上野御成道 『江戸名物酒飯手引1848』」、中華「羽衣 渋谷 1949年、1980年銀座移転」。中華の方は名物の『羽衣包子』があります。
身に着ける小物から「ルッズグルッズ(赤い靴) 渋谷 1979年」同意味カフェバーの嚆矢「レッドシューズ 西麻布 1981年」フレンチ「La Cacquette(ラ・キャスケットーキャップ帽子) 初台 2003年」
カフェ「OVERALL(作業着オーバーオール) 港区海岸 2010年」「café mitten(ミトンー手袋) 高円寺 2010年」「こはぜ珈琲(足袋の留め具) 下北沢 2016年」。「L'Alliance(ラリアンス)」と「こはぜ珈琲」、英語の『アライアンス Allianceー冠詞付きの仏語読み』の調和・協力の意味とつなぎとめる留め具こはぜに人と人を繋ぐ場所でありたい想いを込めています。
各国の民族衣装から、ロシア「サラファン 御茶ノ水 1964年(再掲)」ベトナム「アオザイ 赤坂 1980年(再掲)」「ノン・ラー(ベトナムのスゲガサ) 東池袋 1986年(再掲)」ハワイのカフェ「Muu Muu(ムームー) 御茶ノ水 2006年」
視点を変えると童話の世界の赤ずきん「シャペロンルージュ 銀座 1978-1990年」同伊語「カフェ カプチェットロッソ 淡路町 2016年」「シャポー・ルージュ 吉祥寺 1990ー2017年(再掲)」やフランス革命にでてくる半ズボンをはかない人(はく人は貴族側)、市民を表す「Sans culotte(サン・キュロット) 練馬区 開店年不明」も。 ★TOP頁へ★(人関係、職業名TOP頁へ) ☆ 料理関係TOP頁へ ☆芸術・文芸関係TOP頁へ
比べてー人編ーアドベンチャーとディープと 追加2023.4.22
深化と冒険、深化は先に進む進化ではなく同じ地点の深堀の世界、冒険の攻めてる世界は昭和時代的、平成・令和時代は今ディープな方へ向いています。
昭和の時代はひたすら遠くの国を目指し、憧れていました。
■ 遠くの国の人
コーヒー店純喫茶店の嚆矢、「カフエ・パウリスタ 銀座 1911年(再掲)」パウリスタはブジルのコーヒー積出港のサンパウロ、サンパウロッ子という意味です(『喫茶店・カフェ』掲載)。昭和の初めには北極の住人エスキモー(現在はイヌイット)も登場します。洋食「エスキモ 銀座 『大東京うまいもの食べある記1935』掲載」。白瀬大尉が北極到達は明治末期、アメリカのブランド名エスキモーアイスは1920年から(森永乳業が2010年まで提携)
同様のラテン系のセニョールも「モンセニョール 銀座 1971年」「エルセニョール 六本木 『東京たべあるき地図1975』掲載」
変わっていったのはインディアンの呼称。大正初の恐らくバイクのネーミングで『インデッアン』があったそうですが、西部劇で多く描かれていたネイティブアメリカンの頭部の絵が一緒に掲載。
当初はこの意味だったと推測しますが、現在は正しくインド系の料理店に付いています。部族の呼び名の「アパッチ」はまだ残っています。
人のイタリアーノ、ロマーノもイタリアの地名の変化型です。イタリアの地域名も「シシリアン 蔵前 開店年不明」「Riva degli Etrusch(リヴァ・デリ・エトゥルスキー海岸沿いのエトゥルリア人) 南青山 1996年」
日本の中でも東京から遠方の地、北海道と沖縄県が多いです。地方色が強いラーメンもチェーン店の最初はどさん子でした。えぞっこ、東京の江戸っ子のような呼称。沖縄料理のみやらび(美人の意味)、最近はちゅらさんです。
◇ 〇〇人と▽▽man
アメコミのスーパーマン・バットマン・スパイダーマンから日本のウルトラマン、アニメの古くはエイトマン、デビルマンやガッチャマン、キンニクマンなど。怪物の狼男や蠅男、今はひょっとこと呼ばれる呼称も元は火男からとか。
食べ物屋ではテレビの番組の鉄人です。もとはプロレスからの鉄人ルー・テーズから。レトロの『鉄人28号』も近頃はモニュメントで復活しています。食べ物屋のプロ、デイープな世界の人々への呼称が登場します。
最初はアメリカからです。「フィッシャーマン(漁師) 赤坂 『東京食べ歩きの絵本1978』掲載」、「フィッシャーマンズワーフ」と同じ店かは不明です。
料理系に多くミートマンやバードマン、肉男「PIZZAMAN(ピッツアマン) 大井町 2010年(再掲)」「コックマン 渋谷 2010年」「ノースマン 六本木 2016年(再掲)」。料理系ではない「フリーマンカフェ 渋谷 2011年(再掲)」
最近は飲み物で「ワインマンファクトリー 三田 2021年」「クラフトマン 五反田 2013年」「ビールマン 池尻 2019年」
漢字の○○者は昔からの忍者、武者、聖者といますが、店名は少ないです。多いのは○○人、2000年代から「まぐろ人 浅草 2002年」「パスタ人 神保町 2001年」「カレービト 飯田橋 2015年」「MEATMAN肉男 六本木 2010年」。
◎ 巧みな人
この言葉を有名にしたのは四谷の「すし匠 1993年(創業者のすし匠はハワイに移転)」。この店の本来の店名はすし匠華屋与兵衛ですが、雑誌の登場するときはすし匠になっています。
華屋与兵衛は江戸前鮨の完成者といわれ、店名によくあるタイプでの使われ方ですが、一般的には少し長すぎる店名です。店主の中澤氏の教育のたまものか、弟子がすし匠○○で西麻布他に出店し、よく雑誌に取り上げられことも力になって広まっています。(『すし匠を継ぐ』参照)
蕎麦屋「蕎匠 清澄白河 1952年」「江戸蕎麦匠庄之助 人形町 1932年」の二店は頭や後ろに「長寿庵」が付いているので後からの追加でしょうか。
魚匠、匠そば、鶏匠、和乃匠ほか、他の食べ物屋にもひろがっていますが、『流行の部類に属するものでしょうね』と前回書いたらもっとひろがっていました。。
少ないですが名人、達人がつけている店名も。店名の上げ下げが激しいラーメン「達者 赤羽 2008年」「牛の達人 西新宿 2012年」
英語の達人の意味のマスターも付けています。「レストランマエストロ 渋谷 1997年」 ★TOP頁へ★(人関係、職業名TOP頁へ) ☆ 料理関係TOP頁へ ☆芸術・文芸関係TOP頁へ
人と人・人対人 追加2023.4.22
当然、客とオーナー、料理人のこと。日本名は少なく、洋物の世界です。家族経営の店も多くそのままの呼び名もとても多くのバリエーションがあります。
▼ わたしつくる人、食べる人
つくる側ではフランス語ではシェフ、実際は仏料理には使われず、「BIG CHEF(ビッグシェフ、サイコロステーキの元祖) 池袋 1978年」のような洋食系にあります。
シェフの象徴の白のコック帽「トック・ブラッシュ Toque Blanche 芝 1982年」「レ・トック 八重洲 1983年(再掲)」。前掛け、エプロンも少し、「エプロン 吉祥寺 2012年」仏語の「TABLIER(タブリエ) 銀座 2003年」
イタリア料理はイタリアのイメージのため、キッチンで料理する家族、家庭的な雰囲気をかもし出す、家族名が多いです、(イタリア料理店『人関係とあいさつ』掲載)。
ほかに「ボナペティートパパ 中野 1984年」「タベルナ・ラ・マンマ 麹町 1991年」、「パパマンマ 広尾 1997年」「Tanta PAPPATORIA(タンタ パパトリアー食いしん坊の意味とか) 門前仲町 1991年、パパトリアに改名」
チェーン店名が多いように見えます。ダイナックの「パパミラノ 銀座 1984年、1号店チェーン店1号代々木1998年」、「パスタmama 新宿 1996年1号店」「マンマパスタ(JRAOUD系列) 2001年1号店」。
イタリアン以外洋食「グリルママ 町田 1947年」「da nonna(ダ ノンナ) 世田谷区砧 2008年」フレンチ「Bonne Maman(ボンママン) 池袋 1994年」(『ママは偉大な力』参照)
英語は喫茶店にマミィがつけられています。ママはバー、キャバレーの女主人の呼称としてイメージされます。最近はマザーズというオーガニック系の影響でマザーアース、マザーエスタという店が開店しています。同様に『ママは偉大な力』掲載です。
「日本酒の関連で頭に付けて「酒人あぎ(サントー神の酒を醸造することを司る人、あぎは秋田の由来の一つ齶田あぎたから) 中目黒 2014-2017年」
日本語は父親の砕けた言い方の親父が多少見受けられます。伊語のバッボはイタリアン『イメージ系』に掲載。
ホントは上の『えらい人・憧れの人』の項目かとも考えた「大将」ですが、居酒屋や鮨屋で店主を「大将」「女将」とよく呼んでいます。居酒屋「大将 中野 1972-2021年」焼鳥「大将 高円寺 1977年、3店あり」食べログには焼肉やラーメン店も載っています。
珍しい香港系の鮨屋「板前寿司 赤坂 2007年」。板がまな板で前が調理場、日本食の調理人の意味とか。あまりない店名で肉料理で有名な料理人の苗字につけて「岡田前 麻布十番 2021年」があります。
フランス料理店は「ル・ヴェルデュリエ(野菜栽培人) 千駄ヶ谷 2001年、鵜木から移転」、「エカイエ(牡蠣の殻を開ける職人) 新宿三丁目 2010年」などきいたこともないものが少しだけ登場しています。
ほとんど店の業種とイコールですが、カフェの「エカイヤ 中野 2009年」の貝を開けるイメージで皆で貝を割って新たな一歩へのきっかけのカフェとしているおコンセプトもあります。
親の商売やかつての店の商売を引き継ぐような『ギャップ店名』はありますが、他の職業はメインの出番はありませんね。
人と人・人のまわり
人間関係は様々ですが、最初の頃からフランス語がこの世界は席巻していますので、友達もフランス語から。岡本かの子が名づけたという喫茶店モナミ、スペイン語のアミーゴ、英語のフレンドも喫茶店に多いです。(『みんなは誰か』参照)
仲間のの仏語コパン(『『みんなは誰か』参照)、ボン・ファム(『フレンチを気楽に』参照)。)
英語の伯父さん伯母さん、アンクル・アントは名前を付けての店名が多いです。こちらもアップしているのも多いのですが、追加で居酒屋「アンクルタヴァーン 銀座 1971年」喫茶店「アンクルJr 大井町 1997年」、ビートルズ大ファンの姉妹のジョン・レノンの育ての伯母さんの名前からの「aunt MiMi(アントミミ) 目黒 2003年」。
これ以外にスペイン料理店「カリーニョ(スペイン語恋人・親愛なる人)荒木町」「アルテリーベ(ドイツ語昔の恋人) 銀座 開店年不明、本店横浜市1966年」
縁戚関係も多く「ユニック(唯一の意味でシェフが一人っ子の意味でも) 目黒 2013年」酔い処「次男坊 渋谷 1982年」
三人寄れば文殊の知恵の言葉通り「文殊 両国 1995年」は三人兄弟で創業の立ち食い蕎麦うどん店。こちらも「SOROR(ソロルーラテン語の姉妹) 東池袋 2016年」その名通り姉妹で営むカフェ。経営は姉妹ではない『長女ほどオトナでなく三女ほど子供でもない愛される店に』の「CHEZ MADU(シェ・マディー次女の家) 蒲田 2011年」。
こちらも夫婦でのイタリアン「Dualy(デュアリー) 八丁堀 2019年」は造語、同じものがふたつの『Doubleダブル』ではなく『Dualデュアル』、二重の双対の意味に二人のイニシュアル『Y』で夫婦二人の特徴を生かした店をつくりたいを込めた店名。
同じイタリアン「ALTER EGO(アルテレーゴー分身) 神保町 2019年」オーナーシェフのミラノ店の姉妹店、分身ではあるがちょっと違う魅力も表現したいそう。
決して好まれない店名ではないと思うのです。最近の東横沿線誌「サルース」に掲載の代官山パン屋ファミーユ(フランス語家族)は「パンを買わなくても遊びにきてしまうようなアットホームなお店」目指して付けたと書かれてします。大きなグループは時に広がりを邪魔することがある。それゆえか他国の言語が多いです。
カフェに載せたハワイ語の「Café Ohana」は多い店名(『癒しのカフェ』)。追加の「PANCAKE CAFE OHANA(オハナ) 千駄木 2012-2018年」「HIWAHIWA OHAHA(ヒワヒワオハナー大切な家族) 洗足 2010年」少し凝った「Spice&CafeFamFam(ファムファム)」
友達・仲間は『みんなは誰か』はすでに取り上げています。そして恋人たちと家族、隣人とか(『いつもの家と隣近所』)。
★ 交わされる挨拶・感謝・感激
始まりは出合い「Bistro Au Rendez-Vous(ビストロ・オー・ランデヴー) 世田谷区船橋 1999年」、一期一会(『どちら? メッセージを込めて』)からスタートの人間関係。
最初に人と人とかわす挨拶は店名としてよく使われます。洋食系は外国語を習う時一番最初に覚える言葉ですから、頻度も高く、好まれる理由です。
別れの挨拶は遅くて、池尻の南仏料理の老舗「ドマーニ」(また明日『南欧料理店・地中海料理店』掲載)、フレンチ「アタント(じゃあ、また、ちょっと待って) 六本木 1981年」ほか、再来を促す言葉です。詳細はすべて『いつものの言葉で』。カフェでフィンランド語の"やあ"の軽い挨拶で「CAFÉ TERVE!(テルヴェ) 池袋 2009年(再掲)」。
「ありがとう」もお店的には別れの言葉で「グラシアス」、「ダンケ」ラーメン「おかげさま 代田橋 2012年」。「ボナ・ペティ」はよく見掛けます。(同じく『いつものの言葉で』参照)、写真もそこでアップのイタリアン「ポナペティート 渋谷 2007年(再掲)」。足して新しいところのイタリアン「コメスタイ?(伊語の軽い挨拶、元気?調子どう?) 恵比寿 2020年」。
実際口にすることはないけど店主の心の中ある気持ちの言葉から『"仰せのとおりに”という意味』のフランス語「Bistrot a la demande(アラドュマンド) 田町 2015年」
大手ビジネス系列で「Bella bella(ベッラベーラー楽しい、素敵) 銀座 1993年」、「Buono Buono(ヴォーノ・ヴォーノーおいしい) 銀座 1986-2016年」。新しいところで麻布十番の「TRATTORIA CHE PACCHIA(トラットリア・ケパッキア) 麻布十番 2009年開店」。サプライズのご馳走の驚きの感嘆詞だそうです。洋食の仏語で「セビアン(それいいね) 南長崎 1980年」
人生の方向性、企業ではコーポレイト・アイデンティテイ(CR)、企業理念のようなものを店名とする店が近年出てきています。どうしても文化的浸透の低いイタリアンに多いです。
歓迎とおもてなしの食事の場面で交わされるおしゃべり、会話。「fete café(フェテカフェー仏語おもてなし) 奥沢 2012年」和食「ホトメキ(久留米市の方言 おもてなし) 銀座 2010年」「OSPITA(オスピター伊語おもてなし、歓待) 九段下 2020年」。食べログにも少し流行語らしさもありながら日本語の「おもてなし」が載っています。
「ゆんたくCafe(沖縄語のおしゃべり) 人形町 2010年」「コトシタ(漢字話の字から言と下) 町田市 2011年」 想いのこもった交わされる贈り物はregaloレガーロ、イタリアンがほとんどで「ピッコロレガーロ 日野市 2000年」「ペルレガーロ 白金台 2006年」写真「REGALO(レガーロ) 参宮橋 2008年」は美味しい料理をブーケのように織り束ねて贈り物としてお届けしたいコンセプトで。「REGALO(レガーロ) 三軒茶屋 2012年」。以前カフェだったビストロ「Le Souvennir(ル・スヴニール) 日本橋 2009年」は仏語記憶、思い出の他にお土産品の意味もあります。 ★TOP頁へ★(人関係、職業名TOP頁へ) ☆ 料理関係TOP頁へ ☆芸術・文芸関係TOP頁へ
ココロ、あふれて 追加2019.5.11
心については『人に関連して 2』モットウの項目の『お客へ』で取り上げていました。この10年間で増えてきたこころ、心の付く店名。単純にま心を込めいて以外にも使われてきています。子供の名前にも増えていて、タレントにもこの名の方がいます。
以前は見つけていなかった夏目漱石の小説のタイトルからの「こころ 東大前 1950年中頃」
こころ・心はお店側の想い、誠意、誠心、義理、人情、清心、正義と昔は表した言葉を一括した総称のようです。
♥ こころのバリエイション
平仮名、漢字、ローマ字表記といろいろなパターンが増えています。
「Kokoro 神楽坂 2001年」「和酒和味kokori(ココリー心の意味) 神田 2013年」、「CoCoLo cafe 新宿 2004年」はおもてなしのこころ「Cafe ココロア 四ツ谷 2000年」こころあらたにから 初心を忘れないように「心koko 浅草 2011年」「和cafeこころね 荻窪 2011年」おばんざいや「心(シン) 湯島 2010年」、心を込めてのおもてなしの大衆バル「Cocoro 亀戸 2011年」
「tocoro café(トコロカフェ) 三軒茶屋 2007-2014年」はガイドによく載っていました。心とココロがつなぐトコロ、ココロがホッとするトコロを短くした店名。「穂わ心café(ホワココ) 高円寺 2010年」同じ意味でほわっとするカフェ。
「銀座こころん 銀座 2015年」は真心を込めておもてなし、運気があがるように"ん"を付けているそうです。
写真の「こころ 原宿 2012年」は"想"の字が後ろについています。想いを込めての願い。
キッコーマン醤油のアンテナショップ「cocoro dining(こころダイニング) 吉祥寺 2019年」は発酵調味料で心と身体を整えることを提案する発酵食料理店。流行の数字も「556食堂(ココロ) 杉並区方南町 2018年」。 外国語系は日本語の方が優勢になり、少し後退気味です。わかりやすさが求められる時代なんですね。が、その反対の唯一無二の店名も出てはいます。
「ハーツカフェ 東小金井 2011年」「ハーツライトコーヒー 神泉 2017年」「ハーツライトコーヒー」はコーヒーを通じて心を少し明るくしたい想い(CAFEmagazineHPより)を込めて。
いろいろ意味を付けてフレンチ・イタリアンの店名の数々。「プレヴナンス 外苑前 2013年」の意味は仏語『心づかい』で日本の食材で日本らしいおもてなし。すこし強い魂(英語ではソウルよりもスピリット的な)の「アニマ 広尾 2016年」、ラテン語魂・心の意味で「BISTRO Ame(アム) 恵比寿 2015年」、魂、真心、あなたの心と魂を躍らせる料理を。同じく「アニマ 表参道 2018年」「トラットリアアニマ 代々木八幡 2014年」 」
♥ プラス心(シン、ココロ)
漢字の心に賀字から名前から料理関係の字まで組み合わせた店名も多くなっています。以前アップのガチの「魂心亭」の様に強いものではなく頭しっぽに付く家、屋のようについています。
読み方もシンとココロと二つの店名があります。老舗の「醉心(スイシン) 新橋 1965年」は広島の酒蔵会社の酒の銘柄「酔心(ヨイゴコロ)」から(1965年開店(釜飯酔心)西新宿店が酒蔵会社系列で、こちらは今は別会社系列株式会社山根、かつて喫茶マイアミ、現在はマイアミガーデン経営)。
和食「心味 銀座 2011年」喫茶店「マメココロ 北千住 2015年」「喬心(そばこころ) 根津 2015年」「にくのこころ 人形町 2016年」「かき心 六本木 2016年」「鳥心 田町 2016年、他に五反田、三軒茶屋店」
「鮨心(スシシン) 白金 2009年、支店2018年中目黒鮨心はやかわ 」「鮨心(スシココロ) 神楽坂 2012年」は初心を忘れず真心を込めてと、は二つの読みがありました。以前アップの少し時間を置いて開店の「心米(ココロマイ) 白金 2003年」「米心(マイシン) 渋谷 2013年」
「直心(ジキシン) 四ツ谷 2007年」、「結心 自由が丘 2012年」(再掲)、「海心 乃木坂 2015年」、「喜心 銀座 2017年」
蕎麦屋「一心亭 奥多摩 1926年、2010年に移転」しゃぶしゃぶの「一心 表参道 1968年、1983年にフレンチ「イッシン」も開店」
ラーメンは「一心亭 銀座 1981年」「莉心 下北沢 2010年」「勇心 平井 2011年」「鮨一心 湯島 1985年」居酒屋「一心 池袋 1985年」「和処一心 十条 2010年」鮨屋「和心 西麻布 2002年」「肉菜処和心(ワシン) 門前仲町 2014年」
写真は既に閉店の牛タン焼の「一心 後楽園 1974年頃」。牛タンの発祥店(味太助 仙台市 1948年)のあるにはネットで多く上がっている居酒屋「一心 仙台市」があります。居酒屋ガイド本には東の横綱の居酒屋。東京には「一心たん助 上野 2013年1号店」、歌舞伎や講談に出てくる一心太助をもじった牛タンのお店があります。「一心」のイメージは一心太助に負うことが最初は多かったと思います。
明治期開店の「味遊心 四ツ谷 1890年」は老舗蕎麦屋「中屋」が1996年立ち退き移転後、小料理屋居酒屋の変更した時の替たようです。懐石の「美味心 新宿区舟町 1987年」再掲ですが、すき焼「うまい処有心 渋谷 1993年」は心のこもった料理の意味。化粧品会社DHC経営の鮨屋「大和心(ヤマトゴコロ) 麻布十番 2012年」
名前の組み合わせもあります。居酒屋「花心 祐天寺 1996年」、蕎麦屋の「道心 南阿佐ヶ谷 2001年」「多心(タゴコロ) 神泉 2007年」姉妹店「炙多心(アブリタゴゴロ) 渋谷 2012年」 ★TOP頁へ★(人関係、職業名TOP頁へ) ☆ 料理関係TOP頁へ ☆芸術・文芸関係TOP頁へ
料理関連
店側が凝った店名をつけても、自分が興味あるもので呼んでしまうのは単純な心理です。
昔からの和菓子屋、言問団子、赤福、羽二重団子など。
現在では複雑な店名の多さをを逆手にとって、うどん屋、ら麺亭、おすし屋さん、パスタ屋という食べもの屋の名が現れています。
そしてやたら装飾系で、たとえば「個室彩宴 美食コラーゲン 梅百撰 竹取月物語 夢恋うさぎ」「もち豚 豆腐と焼酎、梅酒ダイニング かわら座」「炭火 九州cuisine ダイニング かわらや 庵 ann」!。ホームページからひろったものですが、とてもひとつの店名とは思えません。流行が終われば頭の料理名、調理名を取り替えていくのでしょう。
料理名
現存する最も古い鮨屋「笹巻き毛抜きすし」。江戸の食べもの案内『七十五日』には笹巻き鮓と毛抜きすしと二つの店が載っていました。竃河岸(へっついかし)笹屋(現在の人形町付近)と京橋鈴木町と2店が載っていて、京橋はふじやの屋号があります。どちらも同じ造りの鮨で、へっつい河岸毛抜きが長く続き、今は別々だった2件の合体で「笹巻き毛抜きすし」になったようです。
蕎麦の世界では更科が有名。蕎麦の芯を使った白い蕎麦の名です。が現在は3老舗の一角を占める店名です。
蕎麦では鴨南蛮という店名も存在します。
もう一つの江戸の味鮨屋は以外になくて、フュージョン系のレインボーロールスシやロールズ位でしょうか、吉祥寺には「おすしやさん」というお店がありますがこの手は鮨屋では少数です。
天ぷら屋が天○、天△とか結構多いです。屋台からの名残でわかりやすいようにつけたのでしょうね。
和系はこのほかに雁鍋や鳥鍋本店(上野)ほか鍋料理。昭和初期では奈べ家がガイドに載っています。
テレビ番組の中で料理人のいらない料理屋が鍋料理といっていました。そのため流行が激しいこの世界でチェーン店があっという間に増えます。
博多のモツ鍋が1992年に六本木にオープンしてから。毎年新しい鍋が流行します。材料名とかぶりますが、野菜を使ったやさいや、温野菜、とらふぐ亭、ジンギスカン鍋、桜なべ、カレー鍋等。
観光地と繁華街と称するところには名物の名前、材料名、料理名を冠する店が多いのですが、月島のモンジャ焼は東京では有名でこの店名も多くあります。
観光地・繁華街はは一見さんといわれる客が多いので、料理名を直に知らせるのが一番でしょうね。
料理名のの主流派は洋食です。トンカツがその一番手です。1935年発行のガイドブックのはとんかつの家という店名が載っていました。横浜の勝烈庵は1927年開店で、同様の当て字の勝列、勝礼津、活烈があります。現在はコートレットから出できたこの店名は少なくなっています。
肉系はステーキ亭、ステーキハウス、ハンバーグハウス、串揚屋等とても多い。特に串揚げは大阪の庶民食ですが、大阪の六覚(実際は旧字)燈という高級串揚げが銀座にオープンしてから、同様の高級店が現れ、店名も金の串とか、店名の幅を拡げています。
天ぷらと同様に天国、天春、天一のようにとんかつ藤とかステーキ和のパターンも数多くあります。
洋食の項目の繰り返しになりますが、その他オムレツ、すうぶ屋、ドミグラス亭、キッシュアンドタルト、料理ごとの細分化が多くなってきています。
汁物のスープは比較的簡単に提供可能な料理なので、スープ・ストックとディア・スープの名が駅やデパートでよく見かけます。
フランス料理は1970年代の「ブッシュ」(池袋)からでしょう。ちいさなパイのことです。前菜の一種ですが、そのアントレ(前菜)もつけられました。
一番有名なのはポトフ。フランスの有名シェフの店名でもありました。暖かい煮込み料理のイメージが愛される理由。実際は洋食の様にその料理の専門店ではなく、食べ物屋とフランスの両方を表現する店名として使われています。
イタリアはあまりにもパスタとピッツァがとぴ抜けていています。
70年代に出てきたビザのチェーン、ミスターピザ、ピザハット、ヒザイン、ピザスタジオほか、麺系はラ・パスタ、パスタハウス、スパゲッティハウスなど。この二ジャネルが圧倒的のため他は、今ひとつ。カチャトゥーレとかアクアバッツアとかありますが・・・。
材料名
現代のもっとも旬な店名です。これに郷土食をプラスして地産地消を詠う食べもの屋が90年代後半から大量に現れます。
有名店で古くからあるのは「笹の雪 根岸 1691年開店」です。京都から江戸時代宮様について来た玉屋忠兵衛が江戸で広めた絹豆腐の名前を宮様から賜ったものです。
肉系は直接材料名を掲げるのはそれほどはなかったのですが、80年代から90年代にかけて、牛庵、ぶた家(1999年)等出できます。
日本人は肉食を表立って開始して以来(1872年明治天皇の牛肉試食)、200年かけて、心理的に肉食禁忌から、脱出できたのです。
料理の項で書いたように鍋は何でもありで、ジンギスカン鍋がはやれば、子羊、金の羊、ひつじ亭、くろひつじ。モツがはやればもつ平、もつ太郎、もつ福。
洋食のオムレツの材料卵も店名によく使われます。卵と私、たまごやさん、卵卵亭、神田たまごけんなど。
★卵と私★
「卵と私」はすこし、不思議な店名だと思っていたのです。現在は日本レストランシステムズ経営のオムレツ店です。
この間「東京の空の下にオムレツのにおいが流れる」の再版された石井好子さんの本を呼んでいたらこの店名が出できました。
石井さんのお店「メゾンドフランス」のオムレツ専門店としてオープン。店名は映画「卵と私」からで、クローデット・コルベール主演。原作はベティ・マクドナルド。(2012.6.23)
昔からのかに千、鯛屋、くじら屋、いわしや、駒形どじょう、チェーン店で地方からも出店でかに道楽、甲羅本店、とらふぐ亭、玄品ふぐ、まぐろ市場、まぐろ屋、まぐろ処ほか。
海の項で書いた海鮮、現在は海で獲れる新鮮な海産物を現すこの言葉はもう溢れ放題。90年代の海鮮丼専門の漁屋(渋谷)と新宿の東京海鮮市場の影響が大きいと思います。もちろん冷蔵技術の向上も後押しをしています。地方の漁港近くの店でしか味わえない新鮮な魚貝の丼が東京で食べられるのですから・・・。
70年代のたべあるきガイドには海鮮料理とは広州順徳県のお客用の料理と書かれています。ウイキペディアにはその言葉がもともと新鮮な魚介類を食べるのが当たり前だった日本人に好まれ使われるようになったとか。 ★TOP頁へ★(人関係、職業名TOP頁へ) ☆ 料理関係TOP頁へ ☆芸術・文芸関係TOP頁へ
材料名 2
寿司と蕎麦は少ないです。寿司はまぐろ家とか醤(ひしお)、蕎麦は山葵、くろ麦。蕎麦は玄蕎麦にこだわる店が増えていて、玄の字がよく見かけるようになっています。
トップの項の豆腐も流行が激しく、豆腐屋、だいず、まめや、豆庵、豆乳をイメージした「月の雫」というチェーン店も出できました。京都のゆばは東京ではあまり聞きません。
90年代からテーマを持った店が大量に出できていますが、材料をテーマにしたものも多数。。ゴマをテーマにしたビストロごまや。米を中心にしたもの、ライス・テラス、RE(リ)・心米。野菜はとても多い。葱を中心の持ってきた葱屋平吉、葱屋、ねぎや。アメリカンなじゃがいも料理の店、マジックポテト、ポム・デ・テエル。ラ・パタータ。
ラーメンの「太陽のトマト麺」や「ダイナー・トマト(中目黒)」、「セレブ・デ・トマト 青山 2005年」のようにデザートまでトマトいう店があります。和名の赤茄子でもラーメン店「あかなす家 渋谷 2009-2014年」猫居酒屋「赤茄子 江古田」。もちろん、野菜全体の店名も・・、やさいや、ベジダイニング、Veggie(ベジー)ほか。
料理法と逆にイタリア料理は材料にこだわる店が多くなっています。
地産地消のスローフードに関係することもありますが、「漫画美味しんぼ」を読んで納得がいったことですが、日本人の味覚は料理法より、その素材へのこだわりが強く調理の方向性はいかに素材の持つ旨み、力を引き出すほうにより比重が重いとの指摘が載っています。
そのため伊料理のほうが日本人の嗜好に合い、仏料理より多く店がなっているのでしょう。
ただ店名までは影響が至ってなく、現在の使い方は材料のブランド名やその目玉になる材料を選んで店名にしています。イル・パッキーノ(シチリア産完熟トマト)、レッド・ペッパー、オリーバ、チェーン店のトゥザハーブスなど。
もっとも材料にこだわっているのは自然食、ベジタリアン系、オーガニックのレストランでしょう。ただ、材料名よりも少しひねった店名が多いです。マナ(神の神饌)、「ラ・ロンジェヴィテ(不老長寿、仏語) 白金台 2008年」とか。昔は当たり前に手に入った食べ物が無農薬、有機にこだわると、一般的なものより割高ですから、覚悟と思想的背景が必要です。
材料というと思い出すのは1970年代に出できた「粉と卵」というパティスリー(以前富ヶ谷、現在奥沢にて営業)。この時はフランス名がケーキ屋には溢れていて、ランペルマルイユ、シャンドン、オー・ボン・ヴュータンなどの中にあって、この店名は不思議な感じを与えました。なぜこんな当たり前の店名、ケーキの材料の粉と卵なのか。現在ならわかります。(現在のネット記事に『仏語だらけの洋菓子店に対する反骨精神から』とありました。現在の大きな看板は仏語「Farne et Oeuf」も同時に掲げています)
オーガニックでも大地、土にこだわる店が多いことをみてもこの店名の世界はかつて日本人が愛した自然へもどっていく方向です。大元の意味は違いますが・・・。
材料のブランド化が著しく、三田屋(牛肉の最高峰)、平田牧場(豚肉生産牧場)の名も挙がってきています。
調理法
料理名とダブルこともありますが、比較的新しい店名です。ただ、直に野菜や肉を焼く調理法である、グリルだけは大正期から洋食の少しカジュアル店名として○○レストランの変わりに××グリルが使われています。
富士グリル、銀座グリル、今も繁盛するつばめグリルとか。この和食型としてに炉端焼き、変化形炭火焼きでしょう。
1980年代のオープン、ソーセージレストラン、青山の「SMOKY(スモーキー) 青山 1982年開店」。現在はメジャーな料理法、燻製から店名は今も存続、スモークバーアンドグリル、スモークハウスとか、関連のけむり、煙事の店名があります。
インカスがいっきに広めたのが炙り屋。当初は店名ではなく、店名の前に着く説明のような役割でしたが、インカスのやり方が指示され、店名に進出します。
ただ、よく調べてみると、戦後六本木にあったチャコというステーキ屋は人の名ではなく、チャコール、炭火からで、炙り屋以降、チャコール、シャルボン等の登場でわかりました。店名の調べもなかなか難しいものと感じました。
もっとも単純でわかりやすいのは擬音系です。これは他の職業の店には絶対ありえない店名です、大阪からやって来たお好み焼き、ぼてじゅうはその典型。ボテッと落として、ジュウと焼く。
同じく焼肉の「十々 西麻布 1975年」「寿寿」「寿々圓」「じゅうじゅうぼうぼう 仙川 2000年」、ぢゅうぢゅう(ギョーザ)。料理の様子を表す言葉も出できます。
最近、店名を変えた持ち帰り弁当チェーン、ほっかほっか亭 が例になります。ぬくぬく亭、温々亭、ふうふう亭、ACHi CHi(スパゲッティ)。ラーメン屋や居酒屋の風風亭(ふうふうてい)もおそらくこのイメージを含んでいると思います。
この種の言葉は繰り返しのパターンで幼児語によく見るもの。子供から年配の方まで広く通じる店名です。 ★TOP頁へ★(人関係、職業名TOP頁へ) ☆ 料理関係TOP頁へ ☆芸術・文芸関係TOP頁へ
主役の出番、交代 追加2016.4.5
肉や野菜に焦点があつまり、この食材のメインとする店名があふれる時代になりました。
特に魚から蛋白質の摂取の一位の座を奪った肉類は羊や馬やジビエ(野生動物)とバラエティが豊富になっています。
食べ物屋のガイドにも肉料理のみに焦点を絞った雑誌や図書が2014年から目に付くようになりました。
★ 主役は肉
焼き方へのこだわりで、肉ブロック、塊を焼く肉バルも登場。肉を中心に添える店の悩みは魚貝系のように多数の食材の名前を掲げての店名は難しいこと。特に牛肉は当用漢字ギュウの発音は『牛』の字しかありません。
今は単純に肉=牛肉として、肉、ミート、カルネ、ブッフが大流行。肉フェスと呼ばれる催物も大人気。
ブランド名の松坂、三田、神戸、石垣、前沢、但馬牛などを頭に付けたり、赤べこ、ヴァカロッサ(イタリア語赤身牛)、和牛、黒毛和牛。一例で「黒毛和牛 蔵前 2016年開店」
部位でサーロイン、カルビ、ホルモン、ランプキャップ(お尻の希少部位)、アバ(フランス語内臓)、赤身 、牛タン、「ヒレ肉の宝山 錦糸町 2013年開店」は2014年数寄屋橋店。2015年霞が関店と続いています。
肉ランク付けを店名にするのは新しいタイプ。焼肉キッチンスタジアム黒5(クロゴ) 2006年創業、現在6店舗」
肉に関係する種類だけでなく、従来のグリルやステーキなどのような料理法だけでなくいろいろな店名が出できました。
生、蒸す、煮る、とあるなか、焼く料理法が原始時代からの一番肉に向いている方法です。
炭火焼、鉄板ステーキ石焼き、は昔から、それにブラジル流のシュラスコ、フランス語ロティ(焼き、ローストの意味)、「29Rotie(ニッキューロティ) 大塚 2012年」は考えた店名です。肉を焼くことに特化しているそうです。
生肉に規制がかかっても、生肉を出す「生粋(ナマイキ) 末広町 2014年」、こちらは人形町で1935年からすき焼亭をやっている高級和牛専門店の日山の肉を使っている「よろにく(よろしい肉の意味) 表参道 2007年」の姉妹店。
フードビジネス系スパイスワークスのバル「肉寿司 恵比寿 2010年」は恵比寿を起点に現在都内12店舗、全国にも広げています。
新しいのは切り方の店名は凄いと思います。少ないですが「ジ・イノセントカーベリー 西麻布 2015年」カーベリーがお肉の味を損なわないように切り分けるの意味(お店のHP)、「肉の切り方 日本橋 2014年」は直球店名。
★ 肉の味は・・・
料理法として燻製が一時盛り上がりました。最初の『調理法』項目で挙げた「スモーキー」や「煙事」のような燻製を冠する店名も出ていましたが、バリエーションが少なく店数が増えた今現在は頭と尻尾に付く脇役になってしまいました。その例だけ並べると「燻製炭火焼・・・」「燻製ダイニング・・」「燻製キッチン・・・」「燻製ビストロ・・・」「燻製居酒屋・・・」など。
中には直な「燻製工房 新宿三丁目 2012年」「燻製料理専門店燻煙Smoking Dining 新宿三丁目 2013年」も。
今は熟成です。
肉を中心に増え続けていたのですが、このごろでは魚を熟成した鮨を出す鮨店や郷土料理「熟成酒場福井県美浜町 日本橋 2015年」のような店も現れました。
野菜、パスタ、ラーメンやお味噌の熟成を謳うレストランもあります。
熟成は牛肉の赤身を低温度で保存して、旨味成分を増やしてから、調理するもの。赤身肉を美味しくする欧米発の方法は脂身のサシ入を好んでいた日本人にも普及し始めました
(「下北沢熟成室 2008年」は時間をかけた料理の意味で肉の熟成の意味ではありません。)
提供方法では塊を焼いた肉を分け合うのが一番おいしいそうで、「塊-KATAMARI 有楽町 2012年開店」「塊肉ビストロBLOCKS 四谷 2014年」「肉塊UNO 虎ノ門 2016年開店」
京都発の「听(ボンド) 2009年創業、听の店名は2013年から」シェアして食べるスタイル(オーナーが塊肉が美味しいと)を推奨し、大人数の来店がメイン。ボンドは重さの単位450g。東京銀座に支店があります。同様の店名「听屋 吉祥寺 2014年開店」はハンバーグを1グラム単位で食べられるお店。
精肉店が出店する「加藤牛肉店 銀座」「中勢以 田園調布 2008年」「カルネヤサノマンズ 広尾 2015年」のような例もあり、競争が激しいです。
店名も高品質の言葉ならべる「和牛一頭流焼肉家肉萬」「松坂牛一頭流肉兵衛 赤坂」「黒毛和牛やきにくうしくろ 千駄木」「南九州産黒毛和牛焼肉ホルモン島津 新宿 2014年」豚肉の「銘柄豚豚肉料理処ぶたや百日紅 新宿」「アンチエイジングダイニング熟成焼肉六本木433 2015年」「黒毛和牛銀座ヒレ肉の宝山 虎ノ門 2015年」のタイプ。
割り切ってチェーン店「いきなりステーキ」や「LE STEAK(ルステーク、仏語ステーキ) 渋谷 2015年」のような一品勝負な店名。
最初の二つは高そう、ステーキはちょっととお客が敬遠する場面もありそうですが、最後のひとつは気軽にいけそうな感じです。
「肉山 吉祥寺 2012年」はオーナーの姓名の一字を肉に交換した店名ですが、なんか山盛りの肉が食べられそうなイメージです。実際は完全予約制で気軽にいける店でないのか゜残念。
★ 野菜頑張る!
野菜も付け合わせからスムージー、ローフード、フオンデュ、鉄板焼きにとメインの料理にかわってきています。オーガニック料理では主役なので、野菜に関連する店名がありましたが、今は料理法と場所が多イ傾向です。
サラダでは好きな野菜が選べるカスタムサラダレストラン、「クリスピ サラダワークス 麻布十番 2014年(2017.10.11現在全5店舗)」「代官山サラダ 代官山 2016年」「サラダカフェ 立川」、とても長い店名の「わたしのサラダ製作所マイサラダファクトリー 吉祥寺 2016年」など。
ビュッフェタイプの「やさいの王様 銀座 2009年」やスムージの「ベジテリア」はチェーン店、多数。鎌倉野菜が売りの「ガーデンファーム」全国に9店舗、ベジダイニングが経営の「やさいや鉄板焼野菜 赤坂 2002年」は3店舗。
「エルバ ダ ナカヒガシ 西麻布 2016年」、ナカヒガシの名前を聞いただけで、グルメ人は、京都の「草喰なかひがし」を思い出す通り、息子さんのイタリアンです。エルバが伊語の草、ハーブを意味し、皿の上の料理は写真では半分以上野菜!。
野菜と肉を組み合わせた「ベジカルネ」「ベジピッグ」「トンベジ」「ベジフォンデュ」、「ベジテジや(テジは韓国語豚) 渋谷 2013年」「オリエンタルバルVege(ベジ) 九段下 2014年」や「89(ヤク)バル 恵比寿 2016年」も肉と野菜。「Vegi&Fish(ベジアンドフィッシュ) 神谷町 2016年」は文字通り野菜と魚です。
「やさいと 中野区中央 2013年」のように何でも野菜と組み合わせてよいというものも考えられています。
野外でやることも多いバーベキュー(B.B.Q)も肉屋野菜を焼く料理スタイルとして、頭に付いたり、店名になったりしています。
「ひだまり農園 中野 2009年」「農家の台所 銀座 2010年」「Mr.FARMER(ミスターファーマー) 表参道 2014年」「WE ARE THE FARM(ウィーアーザファーム) 代々木上原 2014年 恵比寿 2015年、系列の農家の小屋のイメージの「STAND BY FARM(スタンドバイファーム) 銀座 2016年」もオープン」、など続々。菜園の頭も見つけられます。
★ 主役は降りたけど・・・
後はお米、過去の主役、皆がお米を主食の座を降りたとはいえ、料理の一部、鮨やカレー、丼の付け合わせ的になり、食べるときは特別な米料理を求めるようになっています。外国からパエリヤ、リゾット、インド系のビリヤニ シンガポールのチキンライス等。
スペインの米料理、パエリアの専門店も登場。ピザーラと同じ会社が宅配「ビバパエリア」を展開、日本レストランシステムの「パエリ屋」、日本人向きにアレンジした「PAEZO(パエゾ) 銀座一丁目 2014年」も。
パエリアの大会で優勝したスペインのシェフのお店「ミゲル・ファニ 代々木 2015年」がオープンしています。
イタリアンのリゾットを専門にするレストランも少ないですがあります。
カノビアーノ系列の東京駅構内やカレーリゾットのバルもありますが、写真はイタリアンの名シェフとして活躍した室井シェフのレストランテ。自分の名前の頭文字をつけたお店の時もありましたが、「リセット 千石 2010年」をオープン。リゾットを得意料理とするので、この店名のようですね。
脇役頑張る 追加2016.4.5
★ 新人パクチー、先輩山葵等
香料では好き嫌いは多々ありますが、テレビ番組でも取り上げられるほどのパクチーが一斉に花盛り。ざっと並べると「パクチーハウス 経堂 2007年」「パクチーファン 新橋 2014年」「パクチーバー 渋谷 2014年」「アジアン食堂pakchee(パクチー) 芝公園 2015年」「パクチーパクチー 代々木公園 2015年」等
日本食の世界遺産登録で、ワサビは日本食の象徴のような扱い。欧米でもワサビは人気のようです。
和食、鮨屋、蕎麦屋に「和さび」「山葵」「wasabi」、ほとんどの料理にワサビ使う鮨は意外に少ないようです。当たり前すぎるのでしょうね。
デザイナーズ系「わさび家 恵比寿 1997年」、蕎麦屋「山葵 銀座 2004年」、居酒屋「わさび 恵比寿 2008年」和と洋のハイブリッド店「wasabi 代々木上原 2011年」。鮨屋は食べログでは「鮨わさび 麻布十番 2008年」「鮨和さび 四谷三丁目」「鮨山葵 湯島」がアップしています。
実際使用する食材は葱ですね。際コーポレーションの「葱や平吉 渋谷1号店 2002年 」がハシリです。同社は「葱屋みらくる 神楽坂」も営業中です。こちらもチェーン店「葱や田蔵」はカラオケの第一興商、季節を問わず葱を集めるには大手の力が必要なんですね。
一店「ネギッチンneginegi(ネギネギ) 初台 2014年」はネギワールドを作りたい!と頑張っていますね。
★ 塩は絶対センター
調味料の塩は以前からありました。英語の塩で「ソルトバイルーンマンガン 丸の内 2007年」「Salt(ソルト) 中目黒 2014年」」、「鶏そばそると 下北沢 2013年」のラーメン屋もあります。イタリア語から「Il Sale(イルサーレ) 赤坂 1998年頃-2004年、2007年再開」「イルサーレ 千駄木 1996年頃-2018、2019年銀座 「Shin」 リニューアル」、胡椒との組み合わせの「ペペサーレ」が多い店名です。フレンチももちろん「サレイポアブル 二子玉川 2004年」「サレポアブルウノ 代々木上原 2010年」があります。肉と塩で「カルジオーネ 恵比寿 2011年」
食べもの以外の組み合わせも存在します。
塩と火で「hisio(ヒシオ) 六本木 2000年、2008年改名してサイドドア」、スペインの米料理店を表すアロセリアを頭に「サルイアモール 代官山 2012年」料理のスパイスは一振りの塩と愛情!?
もっとすごいのは「WabiSale(ワビサーレ) 赤坂 2011年」で、日本の文化の侘びとイタリアの塩で洋の中に和の心をとか。
発酵 追加2016.4.5
ビールの本が多数出版しています。ビールの種類、日本、外国、アジア圏も含んでいます。
以前のワイン指南本が一気にビール指南本へ。以前からビール工場を見学するツアーには人気がありましたが、人気の一端は出来立てビールが飲めること。食べものには出来立てを出すお店がありましたが、お酒は少なかった。
お酒類は一年以上の醸造期間が必要でしたが、ビールは違う。醸造所と併設できるブリュワリー、ブルワーを頭に出来立て提供を売りにしています。
これがビールだけでなく、ほかにも付くようになりました
発酵を店名にする店はまだ少ないのですが、納豆、キムチ、ヨーグルト、チーズ等の製品がライトを浴びているので、他の発酵料理法も現れるかもしれません。
東京でも、まだ少ないのですが、醸す(カモス)、日本酒の『醸し人九平治』の銘柄から知られるようななった語。
京都の「カモシカ(「カモシカのお菓子」もお店が別にあり)」、動物のカモシカではなく醸し家。発酵食堂の頭がついて、発酵食品を使った料理を出している食堂。「醸カフェ 西荻窪(新高円寺から移転) 2013年開店」も同じようなメニュー。
地域限定は「塩尻醸造所(仮) 代々木公園 2014年」長野県塩尻市のワインと発酵食の組み合わせを提案しています。
新潟の食材の「新潟バル 醸造屋 新日本橋 2015年」は麹の味付けの料理です。
発酵の大元の糀、麹の字を使う店名も、「馳走麹屋 白金台 2009年」「麹屋本店 神田 2013年」「糀 築地 2015年」等、塩麹を料理に使うなど工夫を凝らしています。 ★TOP頁へ★(人関係、職業名TOP頁へ) ☆ 料理関係TOP頁へ ☆芸術・文芸関係TOP頁へ
厨房道具・食器その他
この店名は江戸時代に既にありました。鮨の吉野を広めた「義経千本桜」の釣瓶鮨です。鮨の入物のことです。
京都瓢亭は最初の店名が不明ですが、瓢箪の絵が飾られそれが呼称になっている老舗です。東京では16世紀にひょうたん屋という蕎麦屋がありました。
ひょうたんもひさごも居酒屋に多いのですが、ひさごは洋食や高級和食にもあります。
江戸の料理茶屋の始まり、枡屋があります。枡は賀字の増す、益すにも変化し、また紋の三枡からの三枡屋もあります。写真はチェーン店「升屋 日本橋」(追加 現在は日本橋店閉店、最初はタコスシステム高田屋、2016年倒産により現在はチムニーへ 2017.10.15)
三枡は歌舞伎役者市川團十郎の紋として有名。『家紋と名字 西東社』から参考にすると、贔屓からの贈り物、三つの升に由来していて、『見ます見せます』や『二升五合ー二升でますます、五合で半升(繁盛)』をかけてもいるので、團十郎の人気と縁起の良さの両方にあやかりまくった店名でですね。
現存する東京最古の居酒屋「みますや 小川町 1905年」鮨屋「三ます 新宿御苑 1910年」が古い店
樽は新しい方で、樽平、樽一、樽八等居酒屋があります。枡と違い、洋食系も出できています。バーのTARUのように酒類の重きを置いた店が増えて来ています。古くは望知香(ロシア語)、フランス料理屋「プティ・トノー 九段下 2001年」、イタリア料理「バリック(本国にも同じ店名があるとのこと) 江戸川橋 2007年」。
ワインを飲ませるワインバーやブラッスリーやネオ・ビストロが増えていく方向のようなので変化型が現れますかね。
皿を有名にしたのはスペイン料理の赤坂「ロス・プラトス 1974年開店」。地名や文学関連が付けられる中、料理を強調したたくさんの皿を意味するこの店名はオーナーのスペイン料理に焦点を絞った自信が表れています。(もちろん、本場風にたくさん飾られて皿の意味も)
仏語はラシェット、アシェット、ル・ジュードゥラシェット、伊語はピアット、イル・ピアット、プリモピアットなど。
ただ、日本語の皿は発音が地味のため、組合わせ難いようで、食ベログでは大皿料理、小皿料理という形容詞的なものを除くと「喜皿」が目立つ位。
もう一つの器、丼は完全に料理名になっていて区別不能。牛丼の吉野屋からでしょうか。
現代流行中は膳です。食事の数詞、一膳、二膳または食事を載せる台のことです。こちらは多様な組み合わせがあります。ダイニング系も使えるようで、おかず工房膳、遊膳、季の膳、月の膳、楽膳など定番の組み合わせがいっぱい。
アメリカの食器メーカー、ファイアキングの名のカフェもあります。ベトナムのセラドンは珍しいところでしょう。
調理用の鍋と釜は道具と言うよりは料理名化していますので、ここでは書きません。(釜飯、釜揚げうどん、各種鍋料理)
洋系でも特徴を出すため、フライパンやココットやストウブという鍋に料理を入れたまま提供する店も出できています。
鍋釜を載せる竈、七輪は増えています。料理の項ように直火料理が増えたこととピザを本式の竈で焼く店が増えたことに因ります。
キャラ化した!
キャラクターはイメージの擬人化、性格付け。
近々でマスコミを騒がしたのは奈良遷都千年の祝いのキャラクター「セント君」ですね。なぜそんなものが必要か、現在はキティちゃんとかたれパンダ等は癒しを求めてになりますが、お店は何よりも親しみ易さでしょう。
もっとも多いのが名前のちゃん付け。個人の名を付ける武ちゃん、富ちゃんと同じように材料にちゃんを付してこっこちゃん、とんちゃん(豚肉)、うなちゃん、Donちゃん(丼物)、など。
小さい子供の名、幼名に使われる△×丸は大量出現中。男の子の名前の典型、太郎、次郎。三郎ほかも多い店名。
昔の役職名である百官名もあります、介、衛門、兵衛等、喬介(蕎麦)、モツ衛門、食べもの人化の名前の変化はアメリカの影響も大きいところがあります
アメリカのひとつの傾向で、多民族国家のため、一般的な人の名は即その属する民族、食べものを表現してまいます。
それだけでひとつの来店の壁になるため、直にステーキ、ピッツア、デリ、タコスと料理名を掲げて店名にしているのでしょう。
その他
料理の味や香からの店名もあります。漢字の味と香の造語が大変多いのは当然です。
その二つの語を使った洋食「香味屋」(入谷)が古く、1925年(大正14年)から、似たような芳味亭(人形町)は1933年から営業中です。
味の仏語は「レ・サブール」が1963年に銀座にオープンしています。
★さぼうる★
後から気が付きましたが、学生たちからサボるとところと思われている「さぼうる 神保町 1955年開店」はさらに古くから付けられていて、スペイン語の味からです。(追加 2014.6)
ちょっと上の馳走、ごっつお、GotisoU。最上級の味、醍醐もあります。五味八珍という串揚げ屋は味と材料の多彩さを表現しています。
彩の字は中華料理店では古くから使用されていました。
旬は旬がなくなったから、この言葉が強調され始めました。野菜は温室育ちが多く、野菜、魚も世界中から獲られて、魚の養殖も進んできています。
トップ「香味屋」(本当の由来は洋食の項参照)と対を成すのは同じ洋食赤坂の「旬香亭」。大正の味と香から現在は香と材料の旬を重んじる方向へ変わったということでしょう。 ★TOP頁へ★(人関係、職業名TOP頁へ) ☆ 料理関係TOP頁へ ☆芸術・文芸関係TOP頁へ
飲料の世界から
喫茶店は特に純喫茶と呼ばれているものはブルーマン、モカ、アラビカとか銘柄名が店名になっています。
でもなにより多いのはコーヒーそのもの。最初の上野の可否茶館から珈琲屋、珈琲の家、皇琲亭、チェーンの珈琲館まで。材料の和名、和蘭豆も頻度が高い店名です。
食べもの中心で、書いていますので、酒場やバーはここの内容からは外れるのですが、ワインだけは別世界。ワイン通と呼ばれる方々がいるとても深い世界。ワインを中心とする、ワインバーという業種も店名になるくらい増えてきています。
仏語のヴァン、伊語のヴィーノは頻度高しです。ビストロ・ヴァンボー(仏)、ルヴァン、モン・ヴァン。
フランスの産地名、ワイン名がもっともポピュラーです。ボルドー、ブルゴーニュ、キャンティ、ペリニィヨン、シャルトルーズ、グリレ、モンラッシュ。
日本の明治屋は当初中央亭というレストランを開店していますが、その後シェ・モルチェというワイン名に改名しています。洋食から仏料理へかえた意志表示ですね。
不思議に人気なのが日本語の白馬。フランス料理のオゥ・シュヴァル・ブラン(サンテミリオンのワイン名)、ホワイトホースセラー(ウィスキー)
居酒屋は酒元が開店していて、その扱う銘柄を店名にする例は昭和30年代にたくさんあります。「あらまさ 浅草(秋田の銘柄新政)」「樽平 新宿 1959年開店」「酔心 新橋 1965年開店」「有薫酒蔵 新橋(筑後の酒名) 1978年開店」等が先駆け的存在。など。
色名は料理の世界では少しですが、飲料の世界ではよくでてきます。珈琲の琥珀色、フランス語のアンブル、ワインのルージュ、ブラン、伊語のビアンコ、ロッソがよく使われています。
★新時代のお酒★
日本酒バルが増えています。以前は上記のように地方の日本酒醸造家が自らのアンテナショップのように、醸造した日本酒の普及のために居酒屋を郷土料理を出すタイプで開いていました。
しかし、今はバルで出すのは色々な銘柄とそれに合う肴の数々が主流です。文字通り「酒晴(サカバル) 練馬(2号店歌舞伎町) 2012年開店」、「酛(モト 酒の酵母のこと) 新橋 2010年開店」「酒徒庵 四谷三丁目」「蔵葡(クラブー 酒蔵と葡萄) 築地 2013年」など
日本酒新時代といわれ、日本酒の作り方が多彩になり、その味も多彩、スパークリングワインのような日本酒も造られています。角打ちといわれる、酒屋のカウンターで一杯の江戸時代の居酒屋の元祖的タイプも復活。店名も角打ちとする店もありますね。
そして、クラフトビール、手工芸、手作りビールと訳されている新しい世界。この言葉の出版物が世に出始めたのも2013年あたりからでした。最初の頃はビアガーデンやビアホールと差を付けるため、ヨーロッパ系の店名、ベルギー、イギリス、ドイツ、アイリッシュ系の店名が多かったです。
今は「クラフトビアマーケット」「クラフトヘッズ」「クラフトマン」「クラフトハンズ」、ビール醸造所のブルワリーから「アイブリュー」「ヨツヤブルワリー」等。日本語でも「麦酒家(ムギシュヤ)」「麦酒庵」等。
「阿佐ヶ谷麦酒工房 2010年。は中央沿線に「ビール工房」として、実際ビールをそこで醸造しています。これは近々の雑誌ではブルワリーパプと呼ばれる新しい業態として注目が集まっています。
茨木本社の木内酒造の「常陸野ブルーイング・ラボ 秋葉原 2015年」や大手キリンビールの「スプリングバレーブルワリー 代官山 2015年(1号店横浜 1991年)」と続々。この店名はHPでは横浜にノルウェー生まれのアメリカ人ウィリアム・コープランド氏により1870年に造られたビール醸造所の名前だそうです。
頭や尻尾にもビアカフェ、ビアハウス、ビールキッチンと変化も始まっています。同様にこの系統の流行の最初のワインバーもワインカフェ、ワインホール、ワインバル、スタンドと頭や尻尾が高級ラインから変化しています。
ワイン、日本酒もビールも十人十色、自分好みの味を探せる時代になったようです。 (2015.6.13)
芸術・文芸関連
こちらの店名はいわゆる借用というタイプの名づけです。今までの型と違うのは食べ物の何も関係のない世界からの名づけです。芸術、文学が持つ普遍性、広がり、親しみやすさを利用するために付けられます。
また自分の好み、こだわりを打ち出した姿勢のためカフェ、喫茶店に多いものです。
そして、同じ店名は少なく、ひとつの郡、グループです。造語の余地が少なく、借音の利用が多い店名です。喫茶店、邪宗門のようにカリスマ店主に心酔し、同名の店を開く場合もありますが、・・・
音楽
音楽は喫茶店が名曲喫茶という分野で先んじていました。
昭和の始めにクラシックレコードを聴く喫茶店が開店。ジャズ、シャンソン、タンゴ、フォーク、歌声喫茶、そして現在のカラオケ喫茶へと続く音楽と喫茶店はとても深い関係があります。
初期は中野「クラシック」、神田「ショパン」同じく「ミロンガ」。現在下落合のカフェ・バッハは主人がバッハ好き。チェーン店「モーツァルト」。
曲は原宿(現在は学芸大学)の「平均律」、「レクイエム」。オペラ人気が90年代には盛り上がり、東京オペラシティが1999年に開設になっています。
グローバルダイニングの「ラ・ボエム」、「トゥーランドット」、「フィガロ(仏料理店のフィガロは新聞名)」、「クローチェエデリッイア」(伊料理 椿姫から) など。変わったところでは2003年オープン「アルバス」。雑誌サライによればモーツァルトのオペラ「イドメネオ」の脇役の名からだそうです。そんなにしられていないさらに主人公ではない名前の選択。
歌は戦後ロシア民謡が人気があり、「カチューシャ」「黒い瞳」「トロイカ」。赤いサラファンから「サラファン(ロシア料理)」、楽器の「バラライカ」が残っています。
歴史的に有名なのは1955年、西新宿開店「ともしび」。歌声喫茶の先駆けとして有名です。
1970年代の雄、ビートルズなんかは大量にあるように思います。「IMAGINE」、「伊眞泌(和食)」、「イエロー・サブマリン」、「ストロベリーフィールド」など。
ジャズは知識がないので「サヴォイ(ピッツァ)現在は別の店名へ変更」が確認。
関連語はホテルに人気は音楽の形式。ラプソディ(センチュリーファイアット)、ノクターン(プレジデント)、シンフォニー(ロイヤルパーク)。一般で人気はカノン、KANON、香音、ロンド(円舞曲)。ハーモニー(仏アルモニー)は料理の調和の意味を込めて多いです。
楽器は喫茶店「カスタネット」、「ヴィオロン」。太鼓は居酒屋に多く、お客が来店すると太鼓を叩く店もあるような。
絵画
カフェの始まりが画家のかたの仲間との交流の場を提供したいと想いが形になったものです。店名は絵画の関連はしていませんでした。
有名なのは京都の「フランソワ」。印象派ミレーからです。戦後はチェーン店の「ルノアール」、画廊喫茶として有名な「ルオー」、御茶ノ水「画廊喫茶ミロ」、日本橋「ボナール」、、銀座「モネ」、茅場町「ユトリロ」、銀座の「モナリザ」。モナリザは恵比寿の仏料理店もあります。
現代絵画の王者ピカソはフランス料理屋や焼肉屋、カフェに付けられています。吉祥寺の「ドス・ガトス(スペイン料理) 1992年開店」もピカソとその仲間が集った店からつけられているとのこと。
一般にはフランス系が多く、イタリアは近年゛ダヴィンチ、カフェ・ミケランジェロ位。ラファエロ(英語名ラファエルはありますが、天使のラファエルかも)やボッチェチエリとかチェリーニとか少し覚えにくく、発音しずらいからでしょう。
反体制美術運動のダダは子供の「駄々をこねる」からかも知れませんが、結構あります。日本の画家は「写楽」が頑張っています。あと北斎もすこしだけ。
本家のアートはチェーン店アートコーヒー。英語のアートが人気で仏語、伊語は少ないです。
美術周辺語はキャンバス、デッサン(仏料理)、墨絵、パレット、パステル、パステル亭、フレーム等。
映画
映画は洋画の普及によりカフェがその最初でしょう。シネマ、ハリウッドが初期のカフェの店名に見えます。
絵画、音楽、文学より大衆的人気が高く、広がりがあります。ただ、音楽や絵画よりも命は短いようです。
有名どころでは「ティファニーで朝食を」から仏料理の「ティファニー」、ジョン・フォードの「駅馬車」、「ペペ・ル・モコ」、「フルフル」、「シャレード」、「ペーパームーン」、「ボルサリーノ」、「グラン・ブルー」、その主人公の名「エンゾ」。
日本映画も頑張っていて、「羅生門」、「椿三十郎」。
今回、調べて気が付いたのは、ディズニーの影響の大きさです。初期の「バンビ」「ピノキオ」「ダンボ」、そして文学よりもアニメの「くまのプーさん」(1977年初上映ですが、2011年に再製作)、「不思議の国のアリス」から仏料理の「クィーン・アリス」が有名。そして、同じく仏料理「アラジン」。
演じる分野では古くからあるのは歌舞伎の「助六」和食の歌舞伎から出た蛇の目の項で書きましたが、主人公の助六も人気で最初は鮨屋からでしょう。店名は明治大正になってからのようで、鮨のセット(海苔巻きといなり)も助六と呼ばれています。
歌舞伎の名作を表す十八番もよく使われます。
新しいところでは2001年の「権八(西麻布)」(グローバルダイニング)でしょう。インテリアは市場か劇場か(HP)と評されています。 ★TOP頁へ★(人関係、職業名TOP頁へ) ☆ 料理関係TOP頁へ ☆芸術・文芸関係TOP頁へ
文芸 ⓢー(追加2019.2.23)
カリスマ店主が居た「邪宗門 国立市 1950年開店」は北原白秋の詩集名。店のオーナーがすきな作家、作品にこだわって選ばれる店名。(写真「荻窪邪宗門」)。
作家名より作品名が多く、なかなか、これがわかりにくいです。夏目漱石の「こころ」「草枕」宮沢賢治は愛好者多く「山猫珈琲店」「七つ森」、字を変えた「かに幸船」。
フランス文学は多く、有名なバー「ルパン」、フランス料理の「オー・バトー・イーブル」(ランボーの酔いどれ船)、ラブレーの「ブラッスリー・パンタグリュエル」、代官山の「ラブレー」、「シラノ・ド・ベルジュラック」、麻布十番のレ・ザンファンリーブル(ジャン・コクトーの恐るべき子供たち)
英米は今はチェーン店になった「壁の穴 渋谷 1963年」、シェイクスピアの「真夏の夜の夢」から。
★壁の穴★
会社のHPに詳しく載っています。最初は共同経営者のアメリカ人、ブルーム氏が好きな作品だったのでしょう。1953年開店当時は「ホール・イン・ザ・ウォール」と原語の店名でしたが、1963年の和風スパのレストランの時、壁の穴の店名に。現在は恋人同士の障害になっていた壁が、壁の穴で障害を乗り越えて、心を通じ合わせる存在となったように、お客と交流を大切にしたいとなっています。(2014.7追加)
日本では江戸時代後期の蕎麦屋で百人一首を見たたて「小倉蕎麦」なるものも出現していました。和歌から採った店名もあるとは思いますが、知識不足のため見つけられません。京都の千花はそれにあたるとか。
ダイニングの萬葉庭はインテリアから料理までの万葉世界構築、万葉集から採った店名とは言い切れないものがあります。
日本の小説も泉鏡花「歌行燈」、「ビルマの竪琴」、「カフェらせん」等。「あすなろ」は井上靖の「あすなろ物語」からしられて店名に付けられることが多くなったのでしょう。だだ、現在は学習塾や自己研修セミナー関連もあって、あるホームページではその説教臭さが嫌で、信用できないとのご意見もあります。
これとは全く内容の違う漫画『あすなろ白書』は1993年にドラマ化。杉になろうあすなろうの翌檜は日本人の心根に沿っているイメージ何でしょう。
1971年の電話帳には20店以上の店名、字替えの「亜砂呂 九段下」洋菓子喫茶店もありました。現在の食べログでも200店近い名を全国でヒットできます。2017年から2018年も5店のオープン。1971年は喫茶店が多かったのですが、今も一番は喫茶店ですが、ラーメン、居酒屋、洋食等もそこそこあります。(2019.2.23追加)
浦島太郎は結末のせいで人気なく、竜宮があります。同じく、舌きり雀も雀の御宿、すずめのおやど(チェーン)の方があります。かぐや姫はかぐやもありますが、ダイニングの竹取百物語影響か竹取が多くなっています。
童話は宮澤賢治が人気が高く、「山猫珈琲店 明大前 1993年」、山猫亭、山猫軒やイーハトーボ、POLANO(ポラーノ)、「ゆりあぺむぺる 吉祥寺 1976年」、七つ森などです。
テレビでも放映されたムーミンも夢民というカレーがあり、その中にででくる「ニョロニョロ」の名「ハティフナット」というカフェも最近できています。水道橋にムーミンの世界を表現したムーミンベーカリもできています。この世界はいわゆるユルキャラの世界であります。
芸術・文芸関連の周りから
いつ頃からから、場所名の中にギャラリーとか工房の名が出できます。
調理する人々の中により高い創作物であるという想いがあるのでしょうね。実際、器を創作する店主もいます。
フランスにも同様の店名があるので、精神は共通なのですね。その精神性では宗教、哲学ですが、国名や地名と同じく、どこの国の料理かを表す役割が多いようです。
新しいタイプ。日本関連では自然の美しい風景を表す花鳥風月、(青山のダイニング、高円寺のカフェ2005-2011年)風姿花伝、わびさび庵、一期一会、いろいろ組合わせのできる禅から、しゃぶ禅、牛禅、ザ・ゼン等があります。
庶民的には浪漫。浪漫は18世紀中頃の文芸、芸術運動のロマン主義から来ていますが、形容詞化していて、食べもの屋以外の多くの業種へ広がっています。
禅、わびさび、花鳥風月等はフードビジネス会社が好む店名のようです。いわゆる「コンセプト」が作りやすい言葉だからです。
実際ザ・ゼン、わびさび庵はグラナダ、現在は仙台市のみの際コーポレーションの紅虎禅、しゃぶ禅はチェーン店、最近オープンしてカフェ、禅カフェは通販系のドーナツカフェとなっています。
もう一つの世界が美術や音楽、文芸を愛好すること。風流、風雅、粋の言葉はロマン同様、形容詞風の利用をされています。こちらも新しく、フードビジネスの世界で多いようです。ラーメン「風雅亭」、寿司「風雅」、旬味粋、酒処粋、味粋(居酒屋)。
風流の意味を持つ「花月」。現在、検索をすると「らあめん花月嵐」が大量に出できますが、有名なのは和食、料亭。神奈川県鶴見の遊園地「花月園」の創設者は新橋の有名料亭花月楼主人。明治初年創業とのこと。
日本人の好きな月と花を組合わせた店名。牛丼の吉野屋のように大手のチェーン店でイメージが出来上がってしまうのは寂しい限りです。
もう一つの傾向は男性は自分の生き方と同調する作品、作家を、女性はその作品世界へ夢を描いて選ぶようです。
男性店主の多いラーメンは「山頭火(俳人山頭火から1号店1988年旭川発ですが・・)東京店恵比寿1号店 1994年」、ラーメン屋武蔵(作家ではありませんが五輪書を書く)があります。他に江戸川乱歩好きの「コーヒー乱歩゜ 谷中 1987年頃」
女性はその作品世界を表現しやすいカフェ、喫茶店が多いです。
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