日本人は何を求めどこへ? 5
普通の日、特別の日
短い、長い?一時間であれ、一週間であれ人によって時間の流れが違うにはなぜでしょうね。
人生の中の特別の日はありますか。人と人と分け合う時間、一人だけの記念日、「サラダ記念日」なんていうのもありました。
この店名は日本語を訳すタイプではなく、外国系のことばから広がっていったもの。外食系でアメリカンな店名が受け入れられたようです。
普通の日々
個人的に時間、日々の店名を意識したのはフランス語系の店名からです。渋谷のクレプリー「オー・タン・シ゜ャディス 1985年開店」とパティスリー「オー・ボン・ヴュータン」。ともに昔日、古きよき日というノスタルジックの匂いのする店名です。両店ともフランスの伝統的な味を再現する想いを感じさせてくれます。
イメージとしてマルセル・プルーストの小説「失われた時を求めて」があります。上流階級のマドレーヌが供される午後の時間。午後も「ルマタン」、「アプレ・ミディ」、「ソワレ」など。
フランス語の挨拶、こんにちわのボンジュール、直約は吉日、好日。英語ではグッドデイ。圧倒的にDAYが多い。
発音の日は「ヒ」「ジツ」と響きが地味、太陽や日本のタイプでも使われ、印象が薄いため、少ないです。
ワタミのアメリカンなレストラン「T.G.I.フライデーズ」は訳すと「やった、今日は金曜日だ」とHPにあります。今はないファミレスの「イエスタデー」もアーリーアメリカンなインテリアが売りだったようです。
日曜日は日本語でも「日曜庵 柴又 2000年」という蕎麦屋さんがありますし、最近のオープンの「SUNDAY(三宿) 2011年」は「毎日が日曜日だったらいいという想い(HP)」の店名。こちらは今後も日本語の店名も増えるでしょうかね。
元々、七曜、火曜日から土曜日はゲルマン系、北欧神話の神の名前ですから、キリスト教で用いられているのも不思議ですが、日本古来の六曜のほうが影響が残っています。大安、先勝、友引、仏滅のを気にするほうがまだまだ多いです。
「サンデーブランチ」や「アフタヌーンティ」はちょっと、落ち着いた優雅な雑貨の利用を含めた食スタイルが売りであるように、日は外国の上質な雰囲気を表す店名です。
最近、改装した雑貨屋「トゥデイズ・スペシャル 自由が丘 2012年」、元は「シンプル・モダン・テーブル」というカフェが併設されていたものを「トゥデイズテーブル」と改名。外国にあこがれての衣食住スタイルではなく、今日この日に使う日常的なものを強調店名。雑誌カサブルータス(2012年7月号)で特集されていたように、地に足が着いた理想の暮らし日々を手に入れる方向が示されています。
特別の日々
節分やひな祭り、こどもの日、七夕など日本の祭りはどこかへ消えつつあり、変わってヴァレンタインデーやホワイトデー、クリスマスイブ、ハローウィーンが盛んになっています。
でも、これらは宗教の裏付けなく、商業的意味合いが強く、個人的楽しみの日です。日本的な祝日は店名の中には見受けられません。
祝日は儀式があったりして、公的な匂いがして、店名にはなじまないようです。
農業中心の時代、陰暦を使っていた時代は月の変化ごとに、集まり、宴会があってのですが、現在はまったくありません。
日本人にとって日は特別の日もあまり意味がなく、あいまいな「サムタイム」「オールディ」がアメリカ的な雰囲気の表現のため使われる例が多いです。
個人的な日付では多少存在します。「トレ・デ・マッジオ(伊、五月3日、開店日か誕生日か不明)、「29(ヴェンティノーヴェ)」(伊、西荻窪、オープン日であり、肉の日)
肉といえば謝肉祭、正確には日ではなく週単位の祭り日ですが、「カーニヴァル」、「カルナヴァル」、「カルネヴェーレ」の名があります。謝肉祭の最終日「マルディ・グラ(銀座)」も存在します。
祭り日は個々の祭りは郷土色が強く、郷土料理店で見かけますが、祭りそのものの店名はは居酒屋、鮨屋に多く、洋食では『フェスタ」も。関連で「祭りばやし」、「みこし」、「かぐら」も。
変わった店名の付け方で、ハレノヒがあります。ハレノヒは天気の晴と祝い日、祭り日の二つに意味が含まれていると考えられますが、料理種類にカッコを付け、(る)(汁)(畑)が頭に付いて店名構成です
先に書いたようにフランス語「ジュール」は挨拶に使われる単語のため、フランスらしさを求めて、当然フランス料理店に付けられます。「アン・ド・セジュール(多摩川) 2010年」、「オー・グー・ドゥ・ジュール(四番町) 2002年開店」。
これは、全てのグランドメゾンと呼ばれるレストランの願いです。
この手法から、結婚式、ウェディングに手を広げるレストランも多くなり、表参道の「アニヴェルセル 2013年」(記念日の意味)、麹町の「エメ・ヴィベール」(薔薇の品種名、結婚式のブーケによくつかわれる薔薇、ミシュランの二つ星で全国的に知られる)のように専門的なレストランも増加中。
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時間は速く、遅く
一刻は今の2時間くらい。十二支と同じく、12分割され、江戸時代には幕府の時の鐘が12回鳴らされていました。鐘の音から昼の12時、ここのつから八つと少なくなっていく鳴らし方。
怖い話に出てくる十二支の方の呼び名丑三つ時、子の刻参り 真夜中から3時頃。
西洋ではエジプト文明の時代から日時計、水時計、砂時計、火時計、10世紀には教会で鐘を鳴らす時計機械も 16世紀には個人所有の振子時計も普及していました。
18世紀の近代社会の工業化の開始で、『時は金なり』の言葉が人間を時計の支配下に置かれたことを表しています。現代人はさらに細かくデジタル時計の何百分の一秒の追われいる世界に生きています。
食べ物はファスト、素早く提供されることがお客には評判が良いようです。流行のスタンドステーキ屋、焼肉屋に繋がれながれ。お店も素早く対応するマニュアルが出来上がっています。
それとは別にブックカフェのように好きなだけ長くゆったりできる店もあります。
時計
時間を計る機械、時計、ウォッチ、クロック。かつて、大きな時計台は権威の象徴、今はそれほどでもないですが、腕時計もかつては大金持ちの象徴。
砂時計や鳩時計、柱時計、観光地には時計台、花時計が観光名所になっています。有名な札幌時計台から当然ながら札幌味噌ラーメン店「らあめん時計台 銀座 1967年、既に閉店」、今あるのはチェーン店「味の時計台 新橋、上野 開店年不明(札幌本店HP45年前)」
砂時計は起源が不明、ウイキペディアでは古代ギリシャ・ローマかも?とありますが、時間の神様サトゥルヌス、時の翁(後に死神扱いに)が大鎌とともに手に持っているもの。「ビストロサブリナ 茅場町 1984年」洋食「砂時計 江古田 1982年」。
花時計は日時計に庭園の装飾として花を植えて20世紀初頭に製作された時計。日時計は古代バビロニアからある最も古い時計。写真の「花時計 日本橋 1985年」ほかに食べログには「花時計」は2店ほど掲載されています。
1859年の建設のイギリスの時計台ウェストミンスター大時鍾の愛称ビックベンの名の喫茶店もあります。
今もあるのは仏語の時の「カフェ・ド・ルトン 銀座 1976年」、やはり大小時計が飾られています。開店年不明の「Cafe okidokei(カフェオキドケイ) 下北沢」も時計を含めてアンティーク類を飾っています。HP『I LOVE下北沢』には『ゆっくりとした時間を過ごし、時を刻む。置き時計のように。お客様にとってそのような場所であってほしいという思いを込めて』という記事。アナログな時間は癒しの時なのでしょう。
時・分・秒 ⓢー(追加2017.7.10)
インスタント食品の時間は3分ですが、食べ物屋では分、秒は少ないですね。割合の五分、三分はありますが・・。
「壱’(イップン) 銀座 1990年頃」は歌舞伎座から一分圏内にあり幕間に食べられるように一分で焼き上げるステーキを売りにしていました。
ちょっとの時間の意味の一寸は手軽、気軽のの意味も含めているようでラーメン屋「一寸亭 日暮里 1973年」、ほか食べログにも数店アップしています。全国的に多いのはもちろん長さの単位のほうの有名な昔話「一寸法師」ではあります。
時の漢字の付くのは「時屋 西新宿 1948年」、ドラえもんのモデルとなったどら焼きが有名な和菓子店ですが、由来は不明。この店から同名なので変更を乞われたのは「パーラートキ 江古田 1958ー2013年」、家族が時計屋を営んでいたのでトキヤにしたのですが、かえました。食べログ情報の「クロックカレー 大塚」もお客のブログでは元駅前の時計屋だったと書かれています
時は少し抒情的なイメージか、形容詞的に「時の響」「時シラズ」「時のわすれもの」「時譚(ジタン)」等の店名、替え字で季、都樹、東季もあります。
落語の演目『時そば』から蕎麦屋の「ときそば 新橋 2009年」立ち食いそば「ときそば 代田橋 開店年不明」、噺の中で『今何時』ときく「なんどき屋 新橋 1963年」は『丼物』牛めしの「かめちゃぼ 新橋 1955年頃、既に閉店」から引き継ぐ牛丼屋。
仕事終わり時間「誤時(ゴジー当て字で経営するファツションブランドのブランドGOJI) 代官山 1999年」姉と弟の料理人の和仏自由なコースの店。今はそれぞれビストロ「あおい食堂(娘さんのお名前)代沢 2009年」「日本食りゅう介(本人の名) 麻布十番」
仕事終わりの時間、フリーになる時間が午後五時「アフター5ステーション 新宿 1992年」
二毛作店、間借店が増えているので「カレー屋午後3時まで 荻窪 2016年」のような店名も。
「アフターアワーズ 代々木八幡 2010年」日々の仕事の後の時間が今の我々を作っている、未来の時間への協力。多国籍料理「h-ours(アワーズ) 代々木上原 2004年の東京情緒食堂掲載」は人と時間の二重の意味を持たせている店名で、ゲストが自分らしい時間を過ごしてほしいそうです。
フランス語「C'est L'heure(セルール) 幡ヶ谷 2009頃-2016年」はバルでTBSテレビドラマのタイトルと同じ意味で『時間ですよ』。
カフェ「グリニッチミールタイム(通称GMTだそうです。世界標準時0になったら気持ちをリフレッシュしょうの想いの店名) 恵比寿 2014年」
『まだ宵の口』という宵は夕方から夜中になるまでの時間。店名に多く使われています。竹久夢二のロマンチックな宵待草の歌もありますが、ただ居酒屋・バーが多いです。「宵膳 中目黒 2001年、既に閉店」「いざ宵 中野 2017年」「㐂宵(キヨイ 㐂なりから改名) 渋谷 2018年」「宵の宴 新橋」同じ意味で「25時 銀座 ガイド1958年掲載」トワイライト、ナイト等
タイムと
時間旅行をテーマにした小説、映画、アニメが多数1970年代から、ウェルズのSF小説『タイムマシン』、テレビドラマの『時をかける少女』『タイムトンネル』、大ヒット映画の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ターミネーター』も時間を戻るがテーマ。
個人的には児童文学のミヒャエル・エンデ作「モモ」の時間泥棒のテーマが気に入っていますが・・・。
製作され続けているのは、人の興味が多く注がれている証拠です。 一番古い映画はチャップリンの1936年上映の『モダンタイムス』でしょうか。今の人々が秒単位の時間に追われることを予告していたような映画。
写真は「モダンタイムス 赤坂見附 2011年」モダンタイムの世界、チャップリンのポスター、古きアメリカン洋酒酒場(新橋にもレストランバー)。今はリニューアルして「・・1923(イチキュウニサン)」が後ろに追加、おそらくハイボールバーを展開するサントリー傘下で、サントリーのウィスキー醸造開始年でしょう。同じ様な店が五反田にも「サニーサイド1923」があります。
「モダンタイム」は全国でも広くついている店名。ほか「ラグタイム」「タイムトンネル」も同様。
昭和レトロと称される「タイムス 新宿 開店年不明」は新聞紙を多く置いていることに由来、世界最古の日刊新聞紙は英国『THE TIMES(タイムズ)』なので世界中の新聞がお手本にしてこの名を付けているようです。
アパレルのビームスの「TIME CAFE(一寸先の時代をリードする意味) 渋谷 1996年」
写真の「TIME 新橋 2009年」「TIME 築地 2013年」
いろいろ修飾語つくタイム、「オールドタイム」「ハーフタイム」「グッドタイム」「オンタイム」「ピースタイム」「ゴールデンタイム」飲食名の付く「珈琲待夢 芝 1976年」「コーヒータイム」「カフェタイム」「アロマタイム」「ティータイム」「アイリッシュタイムス 新橋 2005年」「セイロンタイム 銀座 2016年」。食べログから拾ってみましたが、昭和レトロからバル、台湾ミルクティーまで業種選ばず今は付いています。
「nice time café(ナイスタイムカフェ) 下高井戸 2003-2011年」とつけたオーナーの話でナイスタイム(素敵な時間)が分かりやすい店名と付けたが、開店後シンプル過ぎて恥ずかしくなったと言っていました。
同じ使い方の仏語で「gout-temps(グータンーリラックスした時間) 東中野 2015年」は鉄板焼、カフェの「LE TEMPS CALME(ル・タンカルムー穏かな時間) 亀有 2015年」
これに影響の時間をつけての同じ使い方で「沖縄時間」「魚時間」「中華時間」が食べログに載っています。
新しいタイ料理店「Time to eat(タイムトゥイートー食事時間、御飯ですよー) 表参道 2018年」
時々の意味の「サムタイム 吉祥寺 1975年」カリスマオーナーのジャズ専門ピアノホール、このためか結構この店名も多いです。
時間を売っている時間制カフェも今はあります。ノマド(遊牧民の意味)ワーカー、事務所を持たない職場で働く人々が増えていますから時代の要求ですね。「TIMES CAFE 神楽坂 2015年、TOKI CAFEに改名」「クロックカフェ 馬喰町 2018年」等。
過ごす時間と・・・
過去と未来、つい最近のエッセイで物理学者の方がお書きになっていて、物理的には過去も未来もなく、今この瞬間があるのみ。過去はひとの中の記憶、未来はひとの中の期待だそうですよ。
ぼんやりとした癒しの時間を過ごす喫茶店、ゆったりとした時間も売りなのでとても多い。時間を楽しむ店を強調している場合もあります。休憩時間の意味で「Break time(ブレイクタイム) 根津 2009年、既に閉店」「Yume×Time Café(ユメタイムカフェ) 国立 2010-2013年」「ブレイクタイム 吉祥寺 2013年」。上の写真のカフェ「チャイブレイク 吉祥寺 2009年」は紅茶の店ですが、チャイはインド風ミルクティーで、英国風のコーディネイトされた紅茶テーブルよりも庶民に根付いたインドの日常のような紅茶シーンを届けたいそうです。
英語以外でラテン系が多くスペインの昼休みの「シェスタ 銀座 1974」「INTERVALLO(インタバッロー伊語の休憩時間) 銀座 2003年」イタリアンのチェーン店「ラ・パウザ(伊語の休み時間ーほっと一息つきたいときに気軽に入れる) 新宿1号店 1999年」「リボーゾ(伊語でひと休み) 銀座 2012年」「Riposo(リポーゾ 田町」「 TRATTORIA RIPOSO(トラットリア リポーゾ) 吉祥寺 2018年」
わかりやすく「甘味処いっぷく 巣鴨 1992年」「深川いっぷく 2006年」「Cafeひととき 下落合 2009年」「ほんのひとときや 池袋 2017年」同じ意味の伊語で「Café respro(レスピーロ) 神田 2010年」ほっと一呼吸、深呼吸して。
同じくひとときは煙草の銘柄でもあった憩(イコイ)、今も喫茶店や居酒屋に使われています。珍しいのはイタリアンの憩いの意味の「Le Temps tendre(ル・タン・タンドレ) 向島 2009年」
時間は料理する料理人にもそこで過ごすお客にも大切な要素。モットウの中にも頻度多く見つけられます。和食の「來経(キフ) 神楽坂 2014年」時は流れていくの意味。「IL TEMPO BEATO(イルテンポベアート) 板橋区常盤台 2011年」幸多き時間。
「Ryuzu(リューズ) 六本木 2011年」はシェフの名前も入っていますが、腕時計に時間合わせや大切な役目を担う龍頭(リューズ)意味していて、時間を忘れて丁寧に仕立てた料理をつかの間の時の流れの中で楽しんでほしい(お店のHP)とのこと。
フィージョン系の「T3(ティースリー) 麻布台 2018年」三つのT、Time(時間)”×Temperature(温度)×TAZARA(多皿)から成っています。
最新のフレンチ「タンモア 赤坂 2018年」はとろけるような柔らかい時間の意味で、女性シェフのもと優雅なひとときを過ごすことができます。写真が「タンモア」は撮りにくかったため「ロムデュタン 銀座 2017年」を載せました。意味は時の人、二度とない時を作るのはひと。 ★TOP頁へ★(普通の日・特別の日TOP頁へ) ☆時間は速く、遅くTOP頁へ ☆音の世界TOP頁へ
時が創る (追加2019.11.24)
時間が長い期間をかけて創り出している事柄、人でいえば思い出、ノスタルジー(郷愁『ノスタルジーと子供時代』)を扱っていました。
長い時間といえば歴史、といえば先に盛り上がった元号。『歴史はあこがれ~時の向うへ』で上げていますが、古くはやっぱりの和菓子店「寛永堂 京都市 1630年(寛永7年)」、東京に多く出店。前にアップの回転寿司元祖の元禄寿司の元禄は今は蕎麦屋、居酒屋に広がっています。そのままの数字の「80's Cafe(80年代カフェ) 小川町 2011年」「50's DINER 立川 2017年」
写真の「トラディション 日本橋 2012年」はフレンチ店。日本の伝統の調理法炭火、フランスの伝統的なココット料理、日本の文化・伝統の街日本橋で・・と伝統にこだわりある様子。伝説の味の長く伝えてきたもの、チェーン店「伝説のすた丼(丼物)」もあります。
アメリカのゴールドラッシュ時代の「GOLD RUSH 渋谷 1981年」、同じ意味の仏語で「ルエ ヴェル ロール 麻布十番 2014年」。『ゴールドラッシュの世界中の人が集まり独特の活気あるエネルギーを再現したい』という思いの店名。
イタリアンに多い歴史の伊語ストーリアから「ストーリア 池袋 2010年」「ラ・ストーリア 表参道 2019年、改名年」
クラシック、古典は文学・音楽関係、何世紀も過ぎても残る作品使われていて、多く喫茶店によくつけています。有名なのは名曲喫茶「クラシック 中野 1930年」
『ノスタルジーと子供時代』でアップとた懐古趣味の意味のレトロ、喫茶店中心に並べましたが、ほかにフレンチ店「れとろ 麻布十番 2011年」和食「和菜れとろ 神楽坂 2001年」
『時代屋の女房』という小説が1982年に直木賞取り、映画化、ドラマ化もされています、映画は今はなき夏目雅子さんがヒロインでした。
喫茶店・カフェは陶器類が多く「李白(オーナー李朝の家具骨董すき 白はそのシンボルカラー) 神保町 1960年」「qwarunca café(くわらんかー骨董皿のくらわんか日常雑器に呼び名) 西荻窪 2000年」
物を長く保存する場所は「蔵」リノベーションがとても増えていますが、最初の頃は蔵がよく取り上げられていました。『低い場所ー地下』『家マワリ』でもアップ。
蔵は以前読んだオーナーの話のなかに元蔵の場所は人の恨みつらみの負の呪がなく価値あるものが溜まっていく場所で縁起が良いといっていました。名前の説明でも蔵はひと物が集まってくる良い字としています。
蔵は(『家マワリ』で掲載)は最初は質屋の蔵のリノベーションから始まり、蔵が尻尾につくタイプも多くでてきました。
ネットで上がっている「繭蔵 青梅 2000年」、文字通り元蔵のレストラン、昔は繭はこの地一帯で繭を育てていたから。
賀字のようにつけているのは蕎麦屋「流石」の姉妹店「流石Le蔵(ル・クラ) 銀座 2013年」、元炭焼きフレンチのシェフのコラボで元のフレンチ店名は「ル・クラージュ」。
京都は町家レストランが多いですが、東京は洋館のリノベーションで何軒かのレストランがありますが、店名を建物の名前を変えずあるのは「小笠原伯爵邸 新宿区河田町 2002年」はスペイン料理店、美術館になった「三菱1号館」のカフェが店名をそのままに続けています。
英語の古いのオールドは絶対的に多いのはお酒を扱うバーの店名です。ウィスキー、ワイン、ブランデー等、モノによっては人間の寿命より長い熟成期間を使います。少ないですが、コーヒーもオールドビーンズを売りにする喫茶店があります。地名のオールドがつく店名も多く見かけます。この場合は形容詞的に古き懐かしき佳き時代の意味が付くのでしょう。バーですが「ワンス・アポン・ア・タイム 上野 開店年不明」
写真の「時喰み 東銀座 2019年」の店名はなるほどと思います。材料の食べ物・飲み物は時をかけて作り出したもの。
今年開店の凝った店名のフレンチリノベーション店「暮富食±(クフク) 末広町 2019年」時間をコンセプトにして、造語の店名は漢字の意味通り『暮らしを食で豊かに』。後ろプラスマイナスが重厚なフレンチの技法を+、シンプルな和食の技法を-として発酵・熟成の調理と日本の伝統食材を使うコンセプト、建物も時間の経過を感じさせます。
時を愛おしむーノスタルジー別版 (追加2019.11.24)
以前アップ(ノスタルジーと子供時代)のお店以外にも「カントンの思い出 大久保 2006年」「珈琲家あのころ 松陰神社前 2011年」オープンしています。「カントン」は韓国語の空き缶、空き缶につまった懐かしい思い出、宝物ような。古い昔の店の味の復活を表す店名もあります。「アロマクラシコ 品川 2003年」モスハンバーガーの「モスクラシック 千駄ヶ谷 2015年」
本国の有名店がアンティーコがつくレストランが目立つためでしょうか?。ミシュラン三星の「アンティカ・オステリア・デ・ポンテ ミラノ」は2003年に丸の内ビルに進出しています。
同じ本国からのこちらは3度目の登場になるホントに古い1870年ナポリ創業の「L'Antica Pizzeria da Michele(アンティーカ・ピッツェリア・ダ・ミケーレ) 恵比寿 2012年」
クラシックなマンマの味の「アンティカ トラットリア ノスタルジーカ 恵比寿 2009-2015年」
「アンティーキ・サポーリ 広尾 2000年開店」昔ながらの味という名のシェフの修行したイタリアブーリア州の店名、現地から職人を呼んで作り上げているそう。
トラットリア「ANTIQUATO(アンティクアート) 赤羽橋 2019年」は意味は古臭い、昔風、古風ですが、ローマの家庭料理をメニューにしているレストラン。
以前も上げたレトロ、懐古趣味、古きを好む意味、昭和がだいぶ遠くなりましたから昭和レトロがブームになっています。
喫茶店「古城 上野 1963年」蕎麦屋「古拙 銀座 2005-2014」 数字で表すデジタルな世の流れでその対極を表すアナログ(本来の意味は連続する)、アナログ人間は古いタイプの人を自虐的に表現する言葉。「アナログカフェ 恵比寿 2008年」ビストロ「アナログ舎 立川 2015年」 ★TOP頁へ★(普通の日・特別の日TOP頁へ) ☆時間は速く、遅くTOP頁へ ☆音の世界TOP頁へ
音の世界
新しい分野です。もちろん、戦前から音楽関連ではクラシックの曲名、作曲家名が喫茶店に付けられています。喫茶店と音楽はきっても切れない関係にあります。戦後はジャズ、シャンソン、歌声、フォークと流行するまま、曲名、歌手名の店名が今もあります。
現在は個人個人がプレイヤーにダウンロードして、ひとりで楽しむのが中心ですが、音楽は日常生活に深く入り込んでいます。
広告の世界でも音は重要な要素となり、戦後は意味より、音の響きが良いものがヒット製品、流行に乗りやすいそうです。
音楽的には
音楽の楽の漢字の元の意味は鈴のような音の出るもので、神を楽しませるの意味。江戸時代までは楽が音楽の意味を持っていましたが、同時にあそびとも読んでいました。
明治から音楽が、特に西洋の音楽を意味してきました。明治期の尋常小学校の音楽の授業で歌われたのは西洋のメロディに日本語の訳詩を乗せたものが多かったです、「蛍の光」「野ばら」「仰げは尊し」「庭の千草」など。
音楽そのものが、音楽は他の芸術と異なり、国境の壁がありません。音楽そのものはラテン語系のムジカが多く「ラ・ムジカ 目白 2008年」はラテン語の音楽で店主のカジムラの名を組み合わせていました。
気持ちの良いイメージでそのため、多数の人々が集う、ホテルの喫茶コーナーに「シンフオニー 日本橋 1989年」「ハーモニー」「コンチェルト」「ロンド」などあります。クラシック系は永く、使われる傾向がおおいです。写真はバルの「オーケストラ 西荻窪 2009年開店」料理の素材を楽器に見立てて鍋の中でオーケストラに。
「名曲喫茶ミニヨン 荻窪 1961年」「パロック 吉祥寺 1975年」「ヴィオロン 阿佐ヶ谷 1980年」「喫茶室ショパン 要町 1981年」「ピアノ・フォルテ 奥沢 1981年」「ばらーど 日本橋 1989年、最初神田1966年」。「名曲喫茶ミニヨン」はトマ作曲のオペラのヒロイン名『ミニヨン』と小さい店だから"ミニ"の意味も掛けいてるそうです。(ミニヨン歴史HPより)
バレエ曲『ボレロ』リズムを刻む最初のパートから徐々にメロディーが盛り上がっていくようにお客生産者スタッフと共にやがて大きく盛り上がっていく願の「ビストロボレロ 中目黒 2015年」。写真は開店年不明喫茶店昭和の雰囲気「BAROCK(バロック) 日本橋」。
イタリアンの音楽用語から「Allegro(アレグローより早く強く) 日本橋 2010年」「LARGO(ラルゴーゆったりと) 四ツ谷 1990年」「LARGO(ラルゴ) 仙川 2014年」新しい店「AUDACE(アウダチェ) 中目黒 2019年」大胆にの意味、ワイン用語の勇敢の意味も。
イギリス、アメリカからやってきたジャズ音楽、ロック音楽。1950年代からいろいろなタイプのジャズ、ロックがはやりました。「スイング(ジャズのスタイル、リズムにノルこと) 銀座 1950年」「ジニアス(アルバム名) 渋谷 1971年」「音楽館 渋谷 1971年」
外国の店をそのまま増やすWDIの経営「ハードロックカフェ」は1993年からです。ロック喫茶もありますが、この系統の特徴は矢沢永一や内田裕也に代表されるロックな生き方への傾倒です。
ちょっと男気のある主張を持った生き方。時々反社会性を批判されることもありますが、男性があこがれる部分を持っています。
有名なのは町田のラーメン店「69'N’ROLL ONE 2005年」、写真にはロッカーそのものの主人の姿をみることができます。
現在は音楽はモーツアルトの音楽のように胎教、農業に使われたり、一体感を持つのが難しいこの世界のあこがれ、感動、癒しを提供しています。
音が響く ⓢー (追加2022.4.2)
音を響かす道具楽器、イメージも心地よく遠くまで響くことができます。上の名曲喫茶「ヴィオロン」のパイオリンやピアノがポビュラーの習い事です。店名も確認できないのですが食べログにはそこそこの数。
ただイタリアンに多い「piano(ピアノ)」ゆっくり、のんびりの形容詞。老舗カフェ「CASTANET(カスタネット) 自由が丘 1979年」は陽気な雰囲気で
ピッツアリヤ「イル・タンブレッロ 小伝馬町 2010年」は伊語の楽器タンバリン、音楽を奏でるように要となるベースは自分の経験と感動生地を伸ばして焼く、此処じゃないどこかの路上を感じてほしいそう。
ワインバー「オルガン 西荻窪 201年」はオルガンの意味とオーガニックのふたつの意味、「cofee amp(コーヒーアンプ) 高円寺 2010年」はHP上でアンプが音楽を拡充するように珈琲の楽しみを広げたいそうです。
漢字の楽器の字は笛と琴、三弦の三味線はありませんが・・・。ネットにも多く載っていますが、由来は不明。ギリシア神話の牧神やキリスト教の天子が吹く角笛を絵画でよく見ますね。仲間のトランペットやラッパやクラリネットは見つけられず。
洋系の「コルネット(角笛) 練馬 1969年」、全国はまだありますが、東京はほとんど閉店。
パン屋の多いのはコルネパンやイタリア語のクロワッサンを意味することから。同じ意味のホルン「ホルン 上原 2021年」ケーキとパンのお店ですが、由来は不明ですが店の名物クレープの角笛の形によるものかも。
「板前ごはん音音 新宿 2002年1号店」は家庭でお母さんが食事のの支度をする音から家庭料理を提供するコンセプトの和食店
ノン、オンの表記にも使われます。
女性の名として増えていた同じ旋律を重ねて演奏の形式カノン「キッチンカノン 東中野 2010年」「香音 西麻布 2002年」 「花音」「佳音」「香音」。カノンは女の子の名前が付けられることがおおいのですが、日本人の癒しのコードだそうです。
オンは多種多様、来音食堂(多分読みはライオン)、紫音、福音、紙音など。
英語ではサウンドは少なく、昔からタバコの銘柄エコーは今はカラオケに占領されています。元はギリシア神話のナルシストに恋した哀れな女の子の名前です。
日本語の「コダマ」は山好きの人がつけると思うのですが、霊の字のある木霊をを避け、山彦の方を選びつけています。
★響き★
ダイニング「響」は親会社ガサントリーなのでそこで醸造し、世界的賞をえたウイスキー銘柄、響からの店名ですね。この店の最後の締めの酒として21年、30年ものが呑めるそうです。(2012.12)
声の音では鳴は地名(鳴門、鳴海、鳴子)が多いので、音関連とはいえません。
他の声関連のもので不思議なのは「吟」。漢詩などを詠吟する、声を出して詠う、という意味で吟ずると使うのですが、酒などの醸造品で吟味した原料を使う酒の意味で「吟醸酒」が広まり、食べ物の優れたものの意味に変化して使われています。
今は和食店「龍吟(六本木) 2003年」の人気が後押ししている傾向があります。龍吟は龍が吟ずると雲がわくの禅語「龍吟雲起」からです。茶席に掛かっていることが多い。
音の鳴るもので最も多いのが「鈴」なんですが、これは苗字のトップにいる「鈴木」から付けられるのも多いので、見分けられません。
鈴はとても古い楽器で、古墳時代にもありました。神楽や能(翁)で鳴らされ、神を呼び覚まし、邪を払う神具でした。
英語のベル、仏語のクロシェット、伊語のカンパネッロなど西洋では[鐘」と同じ、またはほぼ日本語の同じ発音仏語の美しいのベルのため、店名としては少ないです。
1975年の食べ歩き地図には新橋センター界隈の洋食屋「ベリエール」、店名が何語か不明ですが、鈴の意味と載っていました。(インターネットで見ても、ヴェリエールもベルエールも意味は違いました。)
西洋の鈴は小さい鐘の形をしていますし、鐘は寺院に結びつきます。
それでも昭和の頃はベルは多少はあって、食ベログ記事では昭和の香があるそうですよ。浅草のレストランベルはその典型でしょう。
音のでるものはほかに夏の風鈴、花は鈴蘭。鈴蘭は鈴なりになる花のためか神保町のすずらん通りのように、ひとが大勢集るようにと通りの名前によく付けられています、
話題は変わりますが、鐘は江戸時代には時刻をしらせるもの、明け六つ、暮れ六つとして、幕府の建てた15ヶ所の時鐘楼で鐘を打ち、時刻を江戸の町に響渡らせていました。街の人々が同じ鐘の音を聞き、朝の一日を初め、同様に暮れを迎える。ケイタイのデジタルで一人一人が時間に管理される現代では鐘の音ははるか遠く、大晦日の百八つの除夜の鐘のみにその姿を留めています。
カランカランと鳴って喫茶店のドアで来客を知らせる役目。洋食「カウベル 丸の内 『東京たべあるき地図1975』掲載」今も食べログに掲載中、「カウベル 西新橋」「カウベル 飯田橋 1982年頃」洋食「Cow Bell(かうべる)中板橋 2011年」。
ネットで上がってくるのはショートケーキの日を決めた仙台の老舗洋菓子店「カウベル」。「カウベル 1976年 盛岡市」はかつて有名ハンバーグ店の店名でした。因みにこのベル、エントランスカウベルとして買うこともできるようですね。 (2022.4.2)
擬音・擬態
このHPの「調理法の項目」でも載せましたが、今は食べ物の名前全盛、バリエーションとしてその音も店名にするのも増えています。
中華のように子供の名前や女の子の名前を呼ぶパターン(鈴鈴、娘娘、珉珉、暘暘)は別ですが、さらに変化形として他の擬態語も多くなっています。
🌸賑わいはガヤガヤ
とても、込んでいる、賑わっている雰囲気の擬態語がとても、増えています。ワイガヤ系と呼ばれる店。
少々、変わったものは用賀の「 BUZZ CAFÉ(バズカフェ) 2003年ガイド掲載」で、虫の羽音、わいわいがやがやの活気を表すとのこと。
単純に店内の雰囲気を伝えるには便利ですが、静かな、落ち着いた店を求める客は近寄らない店名です。
◎気分はランラン、ルンルン
昔の林真理子さんのエッセイじゃないですけど、気持ちを擬態語風で表現するのは本当に多い。「プッツン」「ウルウル」「ボロボロ」「アゲアゲ」「ビビッ」とか。
このタイプは女性誌の誌名が多いです。何度もこのHPにも登場する「an.an(1970年創刊)」を筆頭に「CanCam(1981年創刊)、「JJ(ジェイジェイ 1975年創刊)、「ChouChou(シュシュ 1993年創刊)など。女性は赤ちゃん言葉系の可愛いものにはひかれます。
特に意味を持たず、擬音擬態が音の響きだけで選ばれるものも増えています。
あえて、擬音じゃないが、この繰り返す型にする店名もあります。最近ののでは「魚魚魚 ぎょぎょぎょ」「京都まろまろ」とか。
多国籍、無国籍、マイノリティー系の料理は店名から料理を感じさせるのは難しいので、意味はチャントある場合もありますが、「MayaMaya(マヤマヤ マヤ文明の料理)」、「PAOPAO(パオパオ モンゴル)、「ポレポレ(無国籍)」「KIRAKIRA(キラキラ インチドネシア)」、「クプクプ(多国籍)」、「チャカティカ (エスニック)」など、音の不思議さでひきつけたいとするものもあります。
いまは閉店した無国籍料理店「KuuKuu(吉祥寺) 1990年」、料理研究家高山みなみさんのシェフをしていたお店です。
オーナーの書いたものを読むと「クウクウ」にはたいした意味はなく、昔見たソ連(現在のロシア)のSF映画の宇宙人が発していた言葉とも音とも区別がつかなそうなKuuKuuを気に入りつけたとのこと。
後から「食う」やら「空想」の空、平和主義の鳩の鳴き声のくう、フィンランド語の「月」の意味もあると知ったとのこと。お客が好きなように考えてくれといった感じでした。
1998年に目黒区東山に開店した和食ダイニング「kan」は純粋に潔いカンの音の響だけで命名、漢字にもひらがなにも表せないで、アルファベットのみ。
あまりに潔すぎ、これに続く同様のタイプはまったく見かけません。
漢字一字で幹、感、擬音ではないが「ZEN」「AN」の和食店はありますが。 ★TOP頁へ★(普通の日・特別の日TOP頁へ) ☆時間は速く、遅くTOP頁へ ☆音の世界TOP頁へ