二代目はクリスチャン
監督
井筒和幸
出演

志穂美悦子 岩城滉一 柄本明 蟹江敬三 かたせ梨乃 室田日出男 北大路欣也 他

鑑賞回数 テレビ放映を録画したものを30回(多分)  DVD購入後10回以上*
DVDお勧め度 ☆☆☆☆
決めゼリフを聞くまでだらだらと観てます*
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今や時の人、井筒監督が18年前にこんな面白い映画を撮っていたのですね。井筒監督の映画はどれも結構面白いですが、この映画の功労者はナント言っても原作と脚本を担当したつかこうへいです。もともと彼が舞台用に書いた脚本の映画化なのですが、出演している俳優も角川春樹マジックで(笑)贅沢三昧。当時、ドラマにひっぱりだこだった蟹江敬三やとても若くてカッコイイ頃の岩城滉一、そして『仁義無き戦い』シリーズから飛び出た様な室田日出男と、嫌な女演じると右に出る者のいない、かたせ梨乃などなど。北大路欣也 や多分これが最後の作品かも?!の山村聡までオールスターキャストで攻めてます。 井筒監督本人は、現在公開中(2003年8月)の『ゲロッパ』で初めてやくざ映画を撮ったなどと言っているそうですが、この映画は思いきりヤクザ映画(しかもコメディ)だと思うのですが、果たして?!まさかこの映画は、つかこうへいの映画なので井筒監督はあまり力を入れてなかったと言う落ちもありですか?確かに公開当時の記録を見ると、1985年9月14日に原田知世主演の『早春物語』の併映として公開されてはいるものの、12億円5000万円の大ヒットを記録しているとあります。学生である自分はさすがに公開当時に乱発する角川映画を追う財力もなく、その後にテレビ放映された時、ビデオ録画をしたテープで初めて観たのですが、結果的にそのビデオを暇さえ有れば観ていたので、同じ角川映画の『犬神家の一族』よりもスルメ度合いが増したわけで、これぞまさに恥かしい『スルメ映画』の逸品と言えましょう。まず、一番良き年頃の志穂美悦子ですよね。70年代のカンフー映画に出演していた志保美悦子なんて自分には馴染みがありません。ハッキリ言って…『八犬伝』に出演した時からなんとなく気に入っていた彼女ですが、この映画でようやく彼女のアクション映画離れした可愛さだけが強調される様になって今でも輝いて見えます。そんな彼女に修道服を着せて…(笑)…もうそれだけで見る価値倍増してます。『スルメ度合い』も最高潮に達しますね。しかも、ハッキリ言ってこの映画は、登場人物全員が彼女に夢中になってます。そして観客である自分達も引きずられるのです。というのも、そもそもそんな風に脚本を書いているし、そう演技指導してますから当たり前なんですが…そんな彼女が最終的にヤクザの二代目を襲名し、対抗する黒岩会の悪徳横暴に「私もう頭にきました…」と泣きながら言うのです。これがまた、彼女が一番可愛く撮れているシーンで取りあえずこのシーンまでは一気に観てしまいます。でも、このシーンってほとんどラスト直前!!だから結局、最後まで観ちゃう事になるんです。他にも、蟹江敬三の死ぬ間際の台詞もカッコイイです。ヤクザとキリストは『仁義』と言う部分で共通するという無茶な理論も結構説得力ありです。そして、かたせ梨乃と今や故人である室田日出男率いる黒岩会の描写の仕方。『仁義無き戦い』に比べてもコメディ的要素が多いのに「ヤクザ」のらしい部分はきちんと描かれている所が面白いですね。可愛い・決め台詞がカッコイイ・そして勧善懲悪の図式。ヤクザの抗争に加担する柄本明演じる刑事の設定(実家が寺)おかしいです。意外にこの類いの映画は風化しないものです。80年代の映画も次第に古くさくなる一方でユニバーサルな笑いに溢れているからなのでしょう。やはり、80年代は角川映画のパワーって凄いです。この調子だと次の『スルメ映画』の紹介も角川映画になってしまいそうです(笑)

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