2004年7月4日執筆
「面白かったなぁ。」「いや、今年の中でベストだろ!」大学生らしき青年二人が、上映後興奮しながら話しているのを見かけた。上半期を終えたばかりですでに彼らにとって「今年のベスト」と太鼓判を押された【スパイダーマン2】は、まさにその一言が全てを物語っている。それは、たとえ彼らが今年のヒット作を網羅していなくても、本作はずば抜けた傑作エンターテイメント作品だと言えるのだ。重厚な人間ドラマを中心にしながらも、コメディ的要素とアクション映画らしいハラハラさせる展開を直列させ、最後には観客を主人公と一体化させる演出の妙など、一本分の映画料金で三本の映画を観たような気持ちになる。クーラーがきいているはずの館内は、いつのまにか観客の興奮の熱でヒートアップし、映画終了には汗まで吹き出てくるこの快感は、はるか昔に観た【スターウォーズ】や【インディ・ジョーンズ】を彷佛とさせるのだ。
それほどまでに好感度の高い【スパイダーマン2】、同じ週の水曜日に始まったアメリカでは、初日興行収入の興行成績を塗り替えたという。もちろん瞬間的な記録は作品のクオリティと一致しないが、この作品は前作の評判から生まれた口コミで、観客の期待は高まったのだろう。このままゆけば、興行成績は間違いなく前作の記録を抜き、歴代トップ3を狙えそうだ。日本でもこの人気は波及し、【ハリー・ポッター】は申し訳ないが7月10日以降は間違いなく1位の座を譲る事になるだろう。
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