上図は映画『スクール・オブ・ロック』に登場するロック史の授業でジャック・ブラックが黒板に書いたロックの系図である。これはパンフレットに掲載されていたものをスキャンしたのだが、これを見る限り自分の好きな音楽のルーツがとてもよく分かる。□で囲ってあるのがジャンルであるが、まず左から『ジャズ』『R&B』『ドゥーワップ』『ブリティッシュ・インベージョン』『ソウル』『ファンク』『ポップロック』『サイケデリック・ロック』『ディスコ』『プログレッシブ・ロック』『ニューウェーブ』『グランジ』『ヒップホップ』以上が自分が好きなジャンルであるので、ほとんど全て網羅している事がわかる。実は、このようなロックの歴史を学べるクラスがアメリカの大学には本当にある。一般教養の授業なので専攻に関係なく受講出来るのが面白い。では、どんな事をしているかと言うと、教授(講師)が毎時間自慢のレコード(CDでない所が味噌!)を講堂に持ち込み、うんちく垂れながら皆で聴くというもの。このクラスは面白かった。もちろん出席率は毎回100%。まあ、アメリカでは出席は成績と関連するし、毎週レポートだミニテストだと勉強させられるからスカスカのクラスはあり得ないのだが、とにかくこのクラスは人気が高く面白いので今でも鮮明に憶えている。講師は現役のミュージシャンだというのも如何にもアメリカらしい。彼は、サックスプレーヤーだった(映画『ライオンキング』でもオーケストラバンドの中で演奏していたらしい)が非常勤講師として大学で教えていたのだ。彼のおかげで初めて聴くオールディーズも今ではすっかりお気に入りになった。『スクール・オブ・ロック』の中でもジャック・ブラックが挙げる名前(AC/DCやブラックサバス、そしてデビッド・ゲフィン)がテストにもなっていた。ちなみに、ロックの歴史には変人が沢山いたので(ジャック・ブラックもか!)普通に話をしていても面白い内容になってしまう。御陰様で、このクラスはテストもほぼ満点で勿論成績は『A』だった。楽勝ではなかったが勉強は辛くなかった。この後、ジャズの歴史のクラスやアメリカ民族音楽の歴史のクラスなど、音楽に関するクラスは全て受講し、『A』を取ったのは言うまでも無い(笑)。余談だが、民族音楽のクラスでは何かライブかコンサートを観て、レポートを提出しなくてはならなかったのだが、丁度『秋吉敏子ビックバンド』のコンサートがあったので、初めて名曲『鼓動』を聴いて感動した。
さて、話は戻って 上図の黒板の右下に『?』というジャンルがあるが、ここにはフランク・ザッパの名前がある。彼は『?』が示す通り一般人にはよく分からない音楽をあみ出した。こんな所まで網羅しているのが面白いと思う(もちろん映画ではこの黒板は読む事さえ出来ないが…笑)以上、アメリカの文化には音楽の歴史は欠かせない事を認識するのに『スクール・オブ・ロック』は貢献している。ちなみに、上図系統の音楽と映画のコラボレーションで成功している作品には、『ブルースブラザース』『天使にラブソング』シリーズや、『ファントムオブパラダイス』『ワイルドパーティ』『ロッキーホラーショー』などが代表される*

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