この秋に公開されるファンタジー・アクション・アドベンチャー映画(オールジャンルか…)がショーンコネリー主演(後の俳優は知りません…)の『リーグ・オブ・レジェンド』原題は"The League of Extraordinary Getlemen"である。なんだか胡散臭い映画である。原題を訳すと、『普通でない紳士達のチーム』ということ。何故普通でないのか、それはチームメンバーが全て文学作品の主人公達だからだ。例えば、ネモ船長や透明人間、ジキルとハイド氏などがいる。しかし、女性のヴァンパイアや大人になっても悪ガキそのままのトム・ソーヤーなど、極めつけは、ショーン・コネリーの役が『ソロモン王の洞窟』の主人公、アラン・クウォーターメイン。全然そんな物語の主人公なんて知らない…やっぱり怪しい映画なのである。そして、この左のチラシを見よ!あの、生頼範義(おうらいのりよし)先生の久しぶりの新作イラストではないか!これでこの映画も安泰だ(笑)…なんて一人チラシを見ながらにやけてしまった。生頼先生と言えば、古くは『テンタクルズ』『スターウォーズ 帝国の逆襲』『グーニーズ』など傑作や珍作織りまぜた数々の日本独自のレイアウトポスターで大貢献されている大先生なのだ。子供の頃はこの数々のシーンで構成されたチラシやポスターを見るだけでうきうきしたものである。
暫く忘れていたが、近年発売された映画秘宝の名本『底抜け超大作』で生頼先生の作品をいくつか紹介していた。特に70年代後半から80年代は、彼のイラストを見て本気で期待した作品も多いのだ。例えば、『キングコング2』は全くお話しにならない映画の続編にも関わらず、巧みな宣伝と生頼先生のカッコイイイラストで騙されて観に行っている。他にも東宝の『首都消失』や『198X年』など、恥かしい駄作も先生のイラストでは、天変地異の凄まじさを予感し、ロケット砲の美学を悟ったりしたのだ。そんな先生の久しぶりの作品をとくと御覧あれ。

 リーグ・オブ・レジェンド
 The League of Extraordinary Gentlemen
 監督 スティーブン・リンドン
 出演 ショーン・コネリー他
 20世紀フォックス社提供
 アメリカ公開日 2003 7-11

この美しいレイアウトはなんなのだろう。中央上に描かれたショーン・コネリーの下には潜水艦とツェッペリン号を彷佛とさせる飛行船の炎上シーンそしてその下潜水艦の水しぶきから飛び出したネモービル(ちょっと格好悪いネーミングだが)その周りには左側に悪漢群、右側に主人公達とバランス良く配置されている。全体的にオレンジ色が強いなかで、『ネモービル』の白とネモ船長のターバンの青が目立っているのが面白い。それからショーン・コネリーの頭上にはこの映画の最終ボスと思われる人物の顔がどんよりした空にうっすらと浮かぶ。これだけでこの映画が何かしら冒険に満ちた超大作の雰囲気があるだろう。自分はこんな昔ながらの宣伝を待っていた。これぞ『映画チラシ』の名作である。ただし、情報が今程手に入らなかった70年代や80年代は、生頼先生のイラストの上に載るコピーがもっと大げさなものであったが、これはそれほど面白くは感じられない。それでも邦題「リーグ・オブ・レジェンド」(なかなか良く出来た邦題だと思う)のフォントがかの、インディー・ジョーンズ作品のロゴを思い出させる所が○だ。さて、多少ゴシック調で統一されているらしいこの映画、出来はどう転ぶのか…公開まで待ちきれない気持ちでいっぱいなのである*

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