前回がシネマスコープの話だったので、今回はビスタビジョンサイズについてやはり、実際の映画のシーンは使えないので例のまぬけ写真で強引に説明してみる。今回のサイズは縦が250ピクセルでシネスコの時と同じにしてある。横が462で1対1.85の比率になっている。これが正しいヴィスタビジョンのサイズである。それでは、去年別のページで載せていた自分のコラムから…『現在採用されている一番ポピュラーなサイズがこのビスタサイズと呼ばれている1対1.85の比率である。ルーツはヴィスタビジョン方式のフィルムから始まり現在基準になりつつあるHDテレビの比率(16対9)がほぼ同サイズである。ワイドスクリーンとはいえ最近見なれたサイズなので、些か物足りなさも感じてしまう。 』これもあっさりとしたコメントだったので補足をすると、ヴィスタヴィジョンはサイズの事では無く、フィルムの撮影及び投影方式である。使うフィルムは70mmフィルム。これを1対1.85の比率で使うと言う非常に贅沢なフィルムであったのだ。初めて『ヴィスタヴィジョン』の名前が出たのがパラマウント映画の『ホワイト・クリスマス』。有名な作品は例えば、ヒッチコックの「めまい」などがある。半世紀を経てもそのクオリティーは未だに素晴らしい。しかし、この70mmフィルムを独特な方法で撮影するカメラも非常に大掛かりな物で、結局普及しなかった。では、現在の映画で良く見られるサイズとして日本のDVD情報誌を初めあらゆるところで見かける「ビスタサイズ」とはいったい何か。これが面白い事に、Vistavision (R)と全く関係がない上、呼び名でさえ日本でしか通用していないのだ。では、米国ではどう表記しているのか、手もとに輸入DVDがあるので早速調べてみた。"Wide Screen"?!そう、そう言った一般名称でしか表記されていない。ではシネスコの場合はどうかと言うと、"Letter Box Size"封筒サイズと言う事か。いかにも横長なイメージが強いが、どちらにしても登録商標になっている名前を無断では使えないようだ。さて、ここで問題がある。最近次第に、一般化しつつあるハイビジョン規格だが、これは先述の通り縦9に対して横16の比率で、非常に『ビスタサイズ』と呼ばれているものに近い。しかし、同じなのではない。実は1対1.85の正確な比率で作られた作品をハイビジョンまたは16対9のモニターで観るとやはり上下に黒帯が見える。たまに見えないのもあるがこれはそれほどサイズが違わない事を良い事にトリミングしている映画だからだ。確かに殆ど差はないので悪気は感じられないが、それならきちんとしたサイズに統一した方が映画ファンにも歓迎されるのでは?とつい思ってしまう。それでは次回はスタンダードサイズとついでにハイビジョンサイズというもの検証してみようと思う。(え?こんな内容は映画のコーナーの隅にでも追いやれって?)まあ、そう言わずにもう少し付き合ってほしい。まだ、サイズは色々あるので…
 
back to diary menu
 
back to top page
 
1997-2003 kay and S.D.F. All rights reserved