映画のカットを使うと色々問題があるので昔自宅で撮った間抜けな写真でまじめな話を今日はしてみる。先日観た「踊る大走査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ」←タイトル長! でシネマスコープの事に触れたので実際にシネスコの画像を提出してみた。上のまぬけ写真のサイズは縦が250ピクセル横が588で1対2.35の比率になっている。これが正しいシネマスコープのサイズである。それでは、去年別のページで載せていた自分のコラムから…『スペクタクルや歴史ものには欠かせない所謂シネスコと呼ばれている比率(1対2.35)も元来20世紀フォックスが「聖衣」で採用したシネマスコープが始まりであった。現在もアクション映画等で採用され、如何にも映画らしさがあるかつての映画では、主人公と適役を左右に立たせて、より緊迫感をあおぐ演出が度々見られた。 』意外と短いコメントだったので補足をすると、シネマスコープと言う名前は20世紀フォックス社の登録商標であるので、他の映画会社はこぞって○○スコープと名前を変えて表記していた。でも撮影も投影方法も同じである。今では廃れてしまったが、当時のフィルムは70mmフィルムを使用しない限り画像解像度が低くてスタンダードサイズの約半分しか面積の無いシネスコサイズをそのままフィルムに焼きつけると大画面に拡大する事が不可能だった為に、スタンダードフィルム全体に横を圧縮させた映像をプリントして、投影する時には正しく引き延ばすレンズを取り付けて上映していた。しかし、性格な比率を表現するのは映写技師の技術に依存する部分があまりにも有り過ぎた為に昔のシネスコ映画は人物が少し縦長になって見える事が多々あったのだ。また、映写技師の勘違いで本当はシネスコサイズにしないと行けない映画をビスタスコーサイズにして見えているはずの部分を消す等トラブルは耐えなかったようである。そこで、大作と呼ばれる映画はそのまま圧縮する必要の無い70mmフィルムにプリントして更に画質を向上させたのだが、これも色々問題があり、70mmフィルムが大きすぎて映写機も映写技術もすべてにおいて大変な作業が伴うので、都会の数少ない映画館でのみ上映が可能だったのだ。現在は完全に70mmフィルムは廃れてしまった。それは、80年代にイーストマンコダックフィルム社が新しく開発した35mmフィルムの解像度が飛躍して高くなり、シネスコ映画もそのままのサイズで35mmフィルムに焼きつけられ、しかも大画面で拡大上映出来る様になったからだった。実は、70mm映画として上映された最後の映画(撮影ではない)『タイタニック』だったのだが、すでに70mmのクオリティの高さに驚愕を覚える時代は終わっていた。70mmフィルムの『タイタニック』は結局日本には輸入されなかったのだ。

 
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