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今日は、「踊る大走査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ」を観た。夏休み最初の週末しかも、公開したてということで、近くのシネコンは昼の回はすべて売り切れ。仕方なく、レイトショーを観る事にして、出直す事になった。まあ仕方がないが、売り切れ寸前の割には一人で映画を観に行くと席がそれほど悪いこともないので良かった。さて、映画であるが、まず嬉しかった事がある。上のGIFアニメ(初挑戦!)のサイズを観てお分かりの通り、この映画のサイズはシネスコ(シネマスコープサイズだったのだ)。最近、ヴィスタサイズと呼ばれるサイズが横行(特日本映画の大半)しているなかで久しぶりのシネスコ。これだけで、大作の雰囲気が出ている。自分は通常の編集の仕事のせいもあって、画面構成に非常にこだわりがあり、テレビのサイズなら4対3が定番。ハイビジョンなら16対9。映画ならいわゆるヴィスタサイズと呼ばれる1対1.85とシネスコと呼ばれているシネマスコープサイズの1対2.35(または1対2.25)ときちんと区分けされていないと気持ちが悪い。特に映画では」大作や期待作がシネスコでないとがっかりする。洋画で言えば、最近は「マトリックス・リローデッド」「ターミネーター3」「ミニミニ大作戦」がシネスコだった。大作・期待作は歴代を振り返っても、「スター・ウォーズ」「インディ・ジョーンズ」「ゴーズトバスターズ」「エクソシスト」「大脱走」「パールハーバー」「アルマゲドン」(順不同)と横長の迫力だけで映画らしさをかもし出している。しかし、こ横に長いサイズが嫌いな監督もいる。それが、スピルバーグだ。「E.T.」も「マイノリティ・レポート」「A.I.」「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」全部ビスタサイズ(この言葉は日本でしか通用していない。念のため…)なのだ。理由は分からない。「JAWS」や「1941」はシネスコなのに…また、とにかくシネスコ好きな監督もいる。クエンティン・タランティーノとリュック・ベッソンとデビッド・リンチだ。彼等の映画は全部横長なのだ。プロデュース作品も脚本だけ提供した作品もすべてシネスコ。ここまで徹底していると気持ち良い。シネスコが好きなお国柄もある。香港映画は多分、全部シネスコなのではないだろうか?日本の話に戻ると、最近シネスコだったなあと思い出せる映画がない。あったのかもしれないが、思い出せない。シネスコが全盛期だった時代は50年代〜60年代の終わりまでで、その間はどたばたコメディからアクション映画に至るまで横長映画神話が続く。黒澤明監督も数本だけシネスコサイズに魅せられて素晴らしい映画を撮っている。しかし、カラー映画にだけはなびかなかった。当時の立体音響効果にまで手を出しておきながら、カラーには出来なかった。それでも、何度観ても感心させられる珠玉の映画を創り、更に横長画面の最大の視覚的効果を計算した構図をあみ出しているのだ。そんな彼が、20世紀フォックス映画社から依頼され、初のシネスコカラー映画になるはずだった「トラ・トラ・トラ」が監降板にいたってしまったのは本当に残念である。 |
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