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分類用語解説参照
油抜アブラヌ 竹に最初に火入れするとき、竹の樹脂が染み出してくる。これを丁寧にウェスで引き取ると、樹脂と一緒に竹の表面の汚れがきれいに取れてしまう。逆に樹脂を拭取らずに置くと、竹の表面で樹脂が固まって始末が悪いことになる。
つまり、油とは熱で溶け出した竹の樹脂成分であり、油抜きとは油を抜くのが目的ではなく、滲みだした樹脂で竹の表面を一気に掃除してしまうことを意味している。
石突イシヅキ 杖の先端に取り付ける補強材。転じて、尻栓を兼ねて竿の付根に取り付ける飾り。2本継ぎの場合、穂先側が握り側より長くなってしまったとき、2本の長さを調節するために石突を取り付けるとよい。竿の転び止め、肘あてなどの用途があるそうだ。
息抜イキヌ 油抜きや矯めのとき、熱で竹が破裂するのを防ぐ目的で、節に空気抜きの小孔をあけること。
イトぎめ 口糸を竹に接着する目的で、一回目の口漆として瀬〆を塗りその後すぐ漆の硬化前に、きめ木で口糸を締めて漆が竹に向かって染み出すようにすること。
印籠継インロウツ 印籠とは昔、旅をするとき持ち歩いた薬入れの小筒。「やとい」の内筒を介してふたを差し抜きする構造になっているため、ふたと胴の外径が同じになる。短竿の胴の継ぎに適している。pic
入れ子イれコ 一つの容器の中に相似形の容器が入れてあり、さらにその中にも・・・・・・と言うのが、入れ子構造。竹の穴の中に別の竹を糊付けして、補強したり、内径のサイズ合わせをすること。
浮州ウキス 今年生えた竹の子を8月から10月ころ切出したもの。長竿を少しでも軽く作ろうとして、若い竹を使った。主に淡竹である。沖釣りの小物竿には不要である。
ウルシ 漆の成分・種類口漆胴漆pic
FRPエフアールピー樹脂(プラスチック)を繊維で補強したもの。一般にグラスとかカーボンと呼んでいるのがFRP。実は絹糸に漆を塗ったものも立派なFRPなのだ。
分類用語解説参照
ガイドドーナツ型のクリスタルリングを金属で固定し、竿に取り付けるための足をつけたものが一般的だが、Sカンという優れものが消え去ろうとしているのはさびしい限りだ。穂先へのガイドの取り付けピッチについて、この手引きには提案がある。pic
替え穂カエホ 穂先を穂持ちに継ぎ印籠芯もすげ込んだものを複数セットにして、状況に応じて穂先側を取り替えるようにしたもの。
当然、手元側と穂先側のテーパーが一致しないことになる訳で、一般にはお勧めできない。
掻き出しカキダシ 竹の内側を削るための専用工具。キリが回転で、丸ヤスリが押して削るのに対して、掻き出しは手前に引いて削るように出来ている。pic
キシャギ 口糸巻きの下地処理として竹の表面を薄くむき取ること。これによって糸が滑らないようにする。キシャギ専用のナイフがある。photo
キリ 竹の内側をさらうためのキリで、用途によって様々な形のものがある。小物竿には剣先錐があればよい。0.1〜0.2mm刻みで50本程度あれば、不便は無い。photo
切組みキリクみ 竿作りの方針に沿って穂先から握りまでの主な部材を切りそろえること。一般的な短竿では、印籠芯を除いて四つの部材になるが全部べつの竹(穂先は竹以外)になるのが普通だ。切組材
極め木キめギ 口巻き糸の糸ぎめをするとき使うピンセット状の道具。photo
口糸クチイト スゲ口(継ぎ口)の補強のために巻く糸。口巻き糸。絹のミシン糸#50。口糸の部分はその他の部分と別の色になるから、糸巻きの範囲はデザインのこともよく考えて決める必要がある。
口漆クチウルシ 口糸に塗る漆。瀬〆で糸ぎめしてから、塗立で糸目をつぶして中砥ぎし、蝋色(呂色)を塗って仕上げ砥ぎする。さらに、胴漆と一緒に拭取りをかけて艶出しして仕上がる。漆塗りの技で竿を飾り立てようとすれば、この口漆の部分以外に無いから、この部分には様々な飾り塗りが試みられてきた。
口栓クチセン 印籠芯を抜いた後の継ぎ口の肉厚は1mm以下とかなり薄いから持ち運びのときつぶしてしまう恐れがある。そのために印籠芯と同じサイズの矢竹で栓をして継ぎ口を守るのが口栓であって、穂先を守るためのものではない。pic
込芯コミシン 竹の孔に補強材を差し込んで折れにくくするときの、補強材のこと。
コロシ コロシをかける2つの場合。
1つは、竹の孔に木で栓をする場合で、後日木が乾燥収縮して、隙間が出来てしまうのを防ぐために、丸く削った木をあらかじめ圧縮しておくこと。平ヤスリの下に栓にする丸棒を置きヤスリに上から力をかけてゴロゴロ転がす。
もう1つは、竹の断面が余りに‘いびつ’な場合、スゲ込みなどに支障をきたすので、断面を丸くするための矯めの一種。竹の切り口周りを加熱し、コロシ板の孔に切り口を押し込んで、丸く矯める。コロシ板の孔にはテーパーが付いている。
     
分類用語解説図版
サビ付け 肉を盛り付けて凸凹をならし平らにすること。砥粉に膠液を少量加えて練り、これに瀬〆を混ぜたものをへらで擦り付ける。膠液の水分が全てにうまく作用して、まるで2液のエポキシ接着剤のように厚みの奥まで半日で固まってしまう。板金屋が使う2液のポリエステルパテはもっと優れもので、30分もあれば加工もOKである。
尻栓シリセン 竿尻(握りの尻)の穴を塞ぐ栓。普通は堅木を丸棒に削り、コロシをかけてから糊付けする。→石突in
さらい竹の内側をさらい棒という丸ヤスリで削り広げること。並継ぎの竿を2本仕舞とか3本仕舞にする時にする仕事。スゲ口削りをすることを指して、さらうということもある。in
スゲ口スゲグチ 孔に差し込んで固定することを、スゲル、スゲコムという。スゲ口は差し込まれる孔の方を指す。スゲ口には口糸を巻いて補強する。
スゲ込みスゲコミ 竹を長さ方向に繋ぐとき、孔に差し込むオスのほうを指す。スゲ込みの形を先に整形して、これに合わせてスゲ口を削る。
ソリッド もともとは固体という意味だが、パイプなど中空の物体に対して、中空でないという意味もあるので、グラス穂先の場合はこの意味で使われている言葉と思われる。メーカーはもっとましな名前を考えるべきだ。
分類用語解説図版
タケ 現在一般に使われている竹は、胴に布袋竹、丸節竹。握りには淡竹、布袋竹。印籠芯には矢竹。
矯めタめ 竹を矯め火鉢であぶり、矯め木を当てて曲り癖を直し、真直ぐにすること。矯め火鉢は輻射熱で竹を加熱するように作られている。熱源はコークスや木炭だったが、今はガスが多く使われている。矯め木は、木片に溝を付け竹を溝にはさんで「てこ」の応用で曲げる力を加えるように作った道具。
工程によって、下矯め、中矯め、仕上げ矯め、の3段階の矯めがある。
矯め木
調子チョウシ 胴調子と先調子、その中間の調子などのこと。七三調子といっても何が7:3なのか、雲を掴むようなお話ではある。そこで、基準を定めて共通のコトバで調子の話が出来るように、このホームページでは手引きの中で一つの提案をしている。
調子出しチョウシダし 主に穂先を削って竿全体の曲り具合を整えること。セミッポを削って最終的に竿の調子を決定するのは、中矯めを済ませて胴漆にかかる直前。
継ぎツぎ 持ち運びのために分割して作っておいて、使うときにこれらを繋げるようになっている竿を継ぎ竿と言い、繋ぎ合わせることを継ぎという。また、繋ぎ合わせる部分のことを継ぎという。
テーパー 先細りになっていること。この手引きでは、細くなっていく割合を指す。竿の調子を決定する、切組で最も重視する要素。テーパーの大きさ=ある区間の太さの差/その区間の長さ。
手元テモト 2本継ぎ竿の場合は、握りにスゲ込んである部分。こずきやしゃくり等、竿をあおったとき手首の動きが敏感に穂先に伝わっていくには、この部分の切組が大切になる。
テレピン油 (テルペン、ターペン、松精油ともいう)漆用に使うシンナー。松脂から作る。
漆用のシンナーには片脳油もある。
ドウ 竿の穂先と握りを除いた部分。2本継ぎ竿の場合、胴は穂持ちと手元に分けられる。
胴漆ドウウルシ 口塗りが仕上がった後、竿全体に塗る漆のこと。下塗りとして瀬〆を拭取りで塗り、その後は仕上げ方によっていろいろな塗り方がある。標準的な塗りは生正味の拭取り仕上げで、数回繰り返して仕上げる。
分類用語解説図版
中矯ナカダ 仮継ぎ上がりの後、継ぎの部分を矯めなおすこと。下矯めの時には曲がりが正確には分からないので、この段階で矯める。
ニカワ 古くから使われてきた接着剤で、成分は動物性のゼラチンである。80度前後のお湯で溶いて使用する。漆や墨と相性が良く、塗りかぶせたときはじかないので、重宝される。
ただし再度加熱すると溶けてしまうから、中矯めなどが予測される所には使えない。
握りニギり 文字通り竿の付け根の手で握る部分。普通は淡竹、布袋竹を使う。太目の矢竹に糸巻きして使うこともある。リール竿の場合、長さ450mm程度、リールシートをここに取り付ける。in
塗下ヌリシタ 塗料を塗って仕上げをする時、その下地のこと。竿の場合は漆の拭取りをする前に竹肌の調整をすること。
ノコギリ 竹専用の弦付き鋸。刃が薄く細かい加工にむいている。胴付き鋸というのもあって、これはさらに高精度の歯が付いている。photo
ノギス精密な長さの測定器。内径、外径、段差、穴の深さなどを1/20mmの精度で計測できる。photo
      
分類用語解説図版
ハナミチ 竹の枝がまだ芽の状態のとき、幹の部分に溝状の凹みを作ってそこに収まっているが、竹の子の皮が落ちて枝が成長した後も溝状の凹みは幹に残ったままになる。これがハナミチだが、布袋竹の場合これが極端に大きいために、断面が円形とは程遠く、始末が悪い。鼻の下の溝状の部分によく似ているので、ハナミゾと言うべきところかと思うのだが。
火入れヒイれ 取り入れた竹を天日干しして、ある程度乾燥してから耐久性を上げるために火にかざして熱を加える。このとき竹に含まれる樹脂成分が変質して耐久性が高い成分に変わるものと思われる。また、このとき樹脂成分の一部が竹の表面に染み出してくるので、火入れしながらこれをふきとる。これを油抜きと言う。in
拭取りフキトリ 胴漆塗りの標準的な工法。素手で漆を塗りつけ、拭き布(メリンス)でむら無く拭取って仕上げる。摺り漆と呼ばれる工法とほぼ同じ手法と考えて良いだろう。数回繰り返して色とつやを出してゆく。
覆輪フクリン 金銀で縁取りをすること。口漆やガイド・リールシートの糸巻き部分の際(きわ)を金属粉を練りこんだ梨子地(なしじ)漆で縁取りすること。転じて縁取りすること全般を指す。
フシひと節、ふた節、み節と数える時は、節そのものの数ではなく、二つの節に挟まれた区間をひと節という。
片脳油ヘンノウユ 漆用のシンナー(薄め液)。楠(くすのき)から樟脳をとったとき、後に残った油に含まれている。漆用のシンナーにはテレピン油もある。
穂先ホサキ 竿の調子を決定付けるのは穂先と穂持ちのテーパーだから、切組のときは先ず穂先を決めてから順次、穂持ち、手元と決めていく。
和竿の穂先はクジラのひげと決めてかかる向きもあるようだが、実用性の面からはお勧めできない。特にイワシクジラのいわゆる合わせっ穂はやめた方がいい。
グラスの穂先材は竹に比べて強度がありすぎるのと、やや重いのとで竹に継ぐ場合にはバランスが良いとは言えないのが困った所だ。丸節竹と同じ強度に調整したより軽い穂先の登場が望まれる。
穂持ちホモち 穂先材が短いとき穂先を胴にスゲ込んで竿の形にするが、2本継ぎの場合は、穂先に直接つながった方を穂持ちと言い、握りに付いている方を手元という。穂持ちは穂先の性能を100%発揮させる上で決定的に重要な役割を持っている部分である。
分類用語解説図版
in
芽打ちメウち 芽取りした跡に漆で点を打つこと。芽の周りは胴漆のとき一番仕上げが厄介な所で、汚くなりがちだから最終的に黒漆で塗りつぶして仕上がりにする。
枝を切り落とした後の断面または、芽の形だけできていて、成長せずに枯れてしまった跡。
サビ 芽打ちをしたとき、きれいに仕上がるようにサビ付けすること。すき間を埋めるような気持ちでサビ付けする。芽打ちの回数を増やすことで、芽サビを打たない方法もある。
芽取りメトリ 芽を削って出っ張りをなくし、節磨きのとき一緒に磨いて胴漆と芽打ちに備える。
持ち重りモちオモリ竿に糸を通して実際に錘をぶら下げ、竿を水平に維持しようとしたときに、手首にかかる荷重のこと。竿自体の重さよりも竿先が下がらないように維持するための力が大きく作用する。何といっても短竿が有利である。
分類用語解説図版
山虫ヤマムシ 竹に付く虫。矢竹や丸節竹に多いが、淡竹の根の部分や布袋竹にも付く。竹の身を内側から穴を開けて喰っていくから、竹を切ったときに初めて分かることが多い。虫が出て行った穴がある竹は、使っても支障ないと言われる。周りが黒ずんでいて0.5mmぐらいの真ん丸い孔がそれだ。
ヤスリ 大きく分けて平ヤスリと丸ヤスリがあり、さらに布ヤスリや水ペーパー、紙ヤスリがある。
#240〜400より目の荒いものは布ヤスリ、#800より目が細かいものは水ペーパーという風に使い分けると良いだろう。
photo
湯拭ユブキ 胴漆を掛ける前の塗り下の手入れの一つ。字の通り熱い湯で絞った雑巾で竹肌を強くしごいて拭取る。ちょっとした汚れや手油など漆にある悪いものは、拭取れる。
吉野紙ヨシノガミ 楮(コウゾ)を原料とした和紙。薄くて丈夫なのが特徴で、漆を漉すのに使われる。ガラスの定盤に吉野紙を広げ漆を載せたら、筒状に巻いて両端をもってねじる。染み出してきた漆を使用する。
分類用語解説図版
リールシート 竿にリールを取り付けるための金具。パチン錠式のものとねじ式のものがある。電動などの大型の両軸リールを使う場合は、パチン錠のつめが当たってリールを取り付けられない場合があるので、気をつけたい。in
分類用語解説図版
和竿ワザオ胴の部分に竹を丸いまま使って切組んだ釣り竿?
諸説あって、これの解説が一番難しい。
まず、「穂先がクジラでなければ和竿じゃない」説。これはダメだ、筋が悪すぎる。伝統を守ることと、古いシキタリにしがみつく事との見境が付いてない。
次に、「塗料は漆に限る」説。あるいは「糸は絹に限る」説。これもクジラ同様筋が悪い。そもそも、以前には無かった材料が自分の目の前に現れたら、まず試して性能を比較してみようと言うのが、ごく当たり前の技術屋の態度だろう。
それなのに、こともあろうに怪しげな迷信とも言うべき珍説を吹聴して客を混乱させ、頑迷に古い技法の優位性を言い立てるのは、伝統を守るどころか家元制度の利権にしがみついているみすぼらしい姿としか言いようが無い。
世の中にリールと言うものが現れれば、ガイドやリールシートが必要になる。そんなものは昔は無かった。つまり、「リール竿は和竿じゃない」説になってしまう。
新しい材料を拒否するという説は全ておかしい。従って、もし竹に替わる新素材が現れれば、それも取り入れていくことになるのだが、それもまた、和竿なのかどうか、和竿とその他の竿とは何が違うのか?
さあ、皆さんも考えてみてください。結構厄介なテーマですよ。
ウィ in
ウェ
ウォ

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